薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~紫のナイフ19~

tourは下関を回って四国、北海道、近畿、東北、関東、ラストの中国地方にきた。

高美達に付き添って食べた広島のお好み焼きは美味しかった。

前のりしてきたので一緒に厳島神社の鹿を観に行った。

凛は「そばめし食いてー」といっていた。

アリサとはどうなったのか気になったが二人の問題なので干渉しないことにした。

ここもパワースポットなのでカップルも多い。

今日はクリスマス。

飛行機で移動だったので楽だった。

凛はいつも税関でひっかかる。

今日は誰かにつけられてる気がした。

彼女達のことは凛に任せて神社をあとにして、大通りにでて走ったら後ろも走ってついてきた。

しつこかったので、レンガづくりの建物の間に隠れて後ろからくる相手の前にでて銃を向けた。

相手は女子高生で顔をひきつらせて黒ずくめのリクと同じファッションをしていた。

俺は安堵し、またかとうんざりし、「あ、今映画の撮影中、俺エキストラ。お前邪魔だからどいて」と無愛想に言ったら、「なんだ、リクじゃないや。声も違う。広島でインストあるからもうきてるのかと思っちゃった。」と独り言を呟きながら俺を無視して去っていった。

これは逆のパターンもあるかもと俺の組織につけられてるであろうリクを気の毒に思った。

実際リクは健と正反対で最近ガラ悪い連中に絡まれて困ってると嘆いていた。

もうホテルに戻ろう。

本当にヤバイ奴が来ると厄介だ。

街は夜になった。

クリスマスのイルミネーションで夜景が綺麗だった。

ベッドにあおむけで寝ながら、弾を入れ直し、スティックのように銃を回しながら、

高美の差し入れのテキーラをロックでグラスに注いで飲んだ。

これは高美のラジオ番組にルナマティーノの下手ギタリストがゲストで出たときに

もらった代物だそうだ。彼のオリジナルらしい。

ライブはとっくに終わり、今頃高美達はクリスマスと打ち上げもかねて盛り上がってるだろう。

ドアをノックする音がしたので銃を構えて足で蹴ってあけたら、なんと井川由美子だった。

「なんだお前か」俺は額の汗をぬぐった。

「なんだは何よ、せっかくはるばるミニスカポリスのコスプレできてあげたのに。」と本当にグレーの迷彩柄のミニスカポリスの恰好で頬を膨らませる由美子。

「はい、差し入れ」とチーズケーキとドンペリをもってきた。

「俺、甘い物嫌いなんやけど。なんかあったんか」と笑わずにいいつつ中にいれた。

由美子は廊下を見回してからドアの鍵を閉めた。

ショートヘアが似合ってて、掘りの深い顔。

由美子はもう一つの袋から、長いソックスを出して俺の前に手を伸ばしてみせた。

「何これ?」と変な骨模様のストッキングだと思いながらのぞいた。

「ああ、リクのブランドよ。あんたと間違われるから何かあったら助けてだって」と、いいながら由美子は又紙袋の中にしまいこんだ。

やっぱりそうか。そりゃそうだ。

スタンガンでも、あの5人に持ち歩くように指示したほうがよさそうだ。

「そんだけ!?」と顔をひきつらせた金髪のリクの顔が浮かんだ。

「あ、ところで例の殺人事件のほうはどうなった?」上原財閥が気になった。

由美子は「豹くんがもってるガイシャのファイルで彼が疑われたけどアリバイがあったから成立した。西野さんがかばったおかげでね。」とチーズケーキを頬張りながら答えた。もうテーブルの椅子に腰かけていた。

俺はミリ子も任意同行で事情聴取を受けたがアリバイがあったのでほっとした。

かんなは血の匂いがしないのでイラだってるらしい。

頬ずえをついて由美子の食べる様子をしばらく眺めていた。

もうひとつのグラスにシャンパンを開けて二人で乾杯した。

結局ケーキを一口食べた。

美味しかった。

「シャワー浴びてくるわ。一緒にはいる?」と笑みを浮かべながら由美子はバスルームへ消えた。

これは、ハニートラップっていうやつか?

部屋をかえようかと思った。

しかし気になる。

残りのテキーラをグラスに開けて、氷をいれて、一気に飲み干した。

由美子はバスローブを着たままでてきて、「あら、今のはジョークよ。貴方って案外ちょろいのね。」と言いながら冷蔵庫の中のミネラルウォーターを喉を鳴らしてペットボトル片手に飲んだ。

喉元から胸元までとても色っぽい。

唇も濡れていた。

「はい」と俺にペットボトルを手渡すと素早く迷彩服とバスローブの上にコートを羽織り、「じゃぁ明日の朝、始発で帰るから」と出て行ってしまった。

仕事がなかったら押し倒すのにと俺は悔しい気持ちだった。

またテキーラを一杯飲んだ。

凛達もいるから大丈夫だろうと思い、酒を飲み続けた。

その凛は、押し掛けてきた流香の誘惑に負け「別れたくない」と泣かれた為に、

一晩一緒に見張りをした。

(瞳達がいるから大丈夫だろう)と思ったそうだ。

瞳はトシヤの誘惑にまけ一緒に風呂に入り「蓮達がいるしね」と楽しんだ。

高美も高広がちょうどラジオのゲストできていた為にホテルで一緒に過ごした。

他の4人のメンバーも無事だった。

次の日ひどい二日酔いで頭痛薬を由美子からもらって飲んだ。

一緒に朝食をとった。

明日は東京に着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ18~

東京に帰って事務所に行ったら、由美子が登山から帰ってきていた。

日焼けした肌。

露出度が高めだ。

珍しくディーンが顔を出した。

ディーンは谷崎純一郎の「痴人の愛」と山田詠美の「賢者の愛」を最近は愛読していた。

本を薦められたが愛だの恋だのにはもう疲れていたので断った。

「この奈緒美と直己が面白い。『痴人の愛』は主人公の譲治がミイラ取りがミイラになる。

つまり心を奈緒美に支配されるんだ。

一方『賢者の愛』はヒロインの真由子が心を奪われなかったが体が不自由になる。

どちらも相手を幼い時から好みの男女に調教するんだよ」とディーンは熱弁を奮った。

俺は興味ないので適当に相槌を打った。

動物愛に目覚めたのか、ディーンはハムスターを飼って雄雌2匹をかってそれぞれにナオミという名前をつけた。

双子だそうだ。

「俺は男女を調教することにしたのさ」と待ち受け画像をみせた。

「どっちもナオミじゃぁ区別つかへんやんか」と呆れた。

ディーンは「雄はナオ。雌はナオミ。わかりやすいだろ。」と言った。

俺は顎に手を当ててなるほど、と呟いた。

俺もペットを飼ってるのが恥ずかしかったのでわざとぶっきらぼうに「俺も、、、実は子猫を飼ったんだ。野良猫の母親に捨てられてて、リーマンが虐待しかけてたから頭に血が上ってガン飛ばしたら、怖がって逃げたw子猫は俺になついてきたからほっとけなくてな。名前は迷ったけど『サイファ』。雄だけどな」と早口で答えた。

サイファ、お前それ少女漫画のタイトルじゃないか。」とディーンは笑いを堪えて言った。

俺はディーンを睨んだ。

瞳もポメラニアン犬を飼っていて、皐(さつき)と花の名前をつけてたので吹いたけど他人を嗤えないと思った。

トシヤは兎を飼っていて、キャッツアイと名付けてた。

略してキャッツ。

なんでうさぎなのに猫なんだと聞きたかったが怖いのでやめた。

楓に何か飼ってるか聞いたら「爬虫類全般飼ったが今はみどり亀に落ち着いた」と無表情で言ったのでクロコダイルもあるのかと微笑ましい気持ちになった。

名前を聞いたら「姫」というから、吹き出してしまった。

俺はサイファを飼ってからマンションルームに帰るたびに緊張が解けて和んだ。

サイファは雌みたいな性格だった。

キャットフードをあげたり、またたびをあげたりすると喜々とした。

一時期はミルクすら飲めなくて心配したものだ。

今は腰をトントンすると異常に興奮するし、たまにけっぽんと床にゲロを吐くので参ったが憎めなかった。

爪とぎも買ってやり、ストレス発散させている。

子供を育てるよりよほどいい。

豹は熱帯魚を飼っていたので人は見かけによらないものだと妙に感心した。

「朝から何ペットの話で盛り上がってるねん」と凛がきたので「お前何か飼ってる?動物」と聞いたら「たまごっち」と返事が返ってきたので回りはしんと静まり返った。

「なんてな。セキセイインコかな、ラッシー。」と笑顔で凛は慌てて言いなおしたがみんな無視して現場に戻った。

「あ、響ちゃん、ウィンナー珈琲」と笑顔で頼んだ。

響はカップに珈琲を淹れて俺の前に置いて「私も猫が好きなんです。バニーという名前」と一言だけ笑わずに告げて廊下に出て行った。

髪をかき上げて「ありがとう」とお礼を言ったから照れているんだろうと思うと可愛いと思った。

今日からHONEY-Xのtourが始まった。

九州全県を回り、感動の公演でアンコールが鳴りやまなかった。

募金箱まで用意し、マネージャーのまりあが区役所にもっていった。

SMクラブの千里まで俺達のバスに乗り込んで瞳に抱き着いたのでトシヤは

「きついよ」とぼやいていた。

旅は始まったばかり。

俺達はライブを楽しんでる余裕などなくあたりを見回した。

凛から聞いた、白鳥透と友美が心配だった。

拳銃はむやみに出さないようにした。

スタンガンも持ち歩いた。

友美に変わった様子はないか尋ねた。

今の所彼氏も無事らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ17~

高美は凛にカクテルを作ってっもらった。

「美味しい。殺し屋やめてカタギになっても十分食べていけるのに」と笑顔で高美が言ったら「戻る気はない」と無表情で抑揚のない声で言われた。

店内はさすが中華風に派手だった。

「そう。怖い。本題だけど、白鳥透を守って。彼、松田友美と付き合ったせいで、彼女の新刊のせいでテロリストの報復に巻き込まれる可能性があって心配なの。

楓さんは同じ顔のドレインアウェイの5人もあんた達5人に間違われて殺される危険性あるからそっちを護衛したほうがいいと提案してきた。

スタッフとしてもう潜りこんでる。」と高美は推理好きを発揮させて一気にまくしたてた。真面目な顔で。

「それなら心配ないやろ。レンが防弾チョッキを5人に渡したそうだから。

リクは苦笑してたらしい。話はそれだけか」と凛はおかわりされたピンクレディーというカクテルをカウンターの上に置いた。

「ここにはオフを利用してきたんか」と凛は高美に聞いた。

カクテルを一口飲みながら「そうよ。ちょうどジャズピアニストのまなみとユニット組んで東名坂ツアー終えたばかりだしね。雪乃の件、解決したよかったわね。」と安堵した表情でいった。

「まぁ、こっちも色々大変やけどな。」といいつつ、アリサに会いにいったが門前払いを食らったことを思いだし、深く悲しい気持ちになった。

「蓮もアリサを慰めに来るって」という高美の言葉に凛は多少、動揺した。

住所は教えたがまさか来るとは思わなかったのでお説介だと思った。

自分もジントニックを作って一気に飲んだ。

凛は流香に会いに次の日東京に戻った。

別れるつもりだった。

一方、俺は由美子が登山が趣味だと聞いて急におかんとおとんを思い出して懐かしさに胸がヒリヒリした。

実際ストレスがたまり、娑婆に開放されてから数年ぶりに山登りということでハイテンションだった。

雪乃からは事件解決のお礼として大量の香水「バトゥー・サン」が届いた。

俺は2~3本もらい、京子用とアリサ用と自分用にとっておいた。

女性にモテるそうだ。

俺は自分でも2重人格を自覚していた。

殺し屋のレンと恋多き男の蓮。

女と情事の最中はいつ敵に殺されて死んでもいいと開き直っていた。

豹に「ミリコは俺がもらった」と意味深のことをいわれて「別にええよ」と言ったら

拍子抜けした表情を浮かべていた。

実際俺のマンションの前で体育座りして待っていたそうだ。

資料を届けた際に。

豹は昔、マヤを俺に寝取られたので復讐でミリコを奪う予定だったらしいが俺が新しい秘書の響 紫(ひびき、ゆかり)に珈琲を入れてとちょっかいを出してる様子をみて、次の機会を狙うことにした。

実際ミリコと豹は寝た。

ミリコを金髪のツィンテールにさせたりイメチェンさせた。

詩集もサイン入りでプレゼントしたら喜んでいた。

俺は「響ちゃん、今日もかわええな」と彼女の机に歩いて行って声を毎朝かけた。

響は元ヤンの婦人警官だが正義感が強すぎて、やはりかんなのようなウヨク思想にハマって、ウヨク団体の街宣やデモを放置したのでここにきた。

次の日、香水をもって京子のと月命日の墓参りとアリサを東京に連れ戻すべく香港に向かった。

6年ぶりに来る香港は相変わらずだった。

高美からのメールでクロムの下手ギターのレイが倒れて大手術したものの、やっと回復したと喜んでいたが俺にはどうでもいいことだった。

アリサに会いに行った。

松本遥にレインの実の父親だと紹介したら部屋にいれてくれて、二人きりにしてくれた。

遥は秋冬のデザインで忙しかった。

アリサは高美がRUIと同じデザインのTATooを右腕の上に彫ったことや目を整形してた事も明かした。

俺と別れた後だった。

クロムに入りたては髪をピンクに染めてたらしい。

友也の姉はネイルアーティストとして生活しているとか世間話ばかりした。

アリサが無口になった頃を見計らって「アリサ。もう凛の所に戻らないのか?」俺は慰めるように聞いた。

「私達夫婦はもう駄目みたい。どうしても凛のした事許せないの。蓮。。。」と俺の胸に顔を埋めてしばらく泣いた。

結婚指輪はしていなかった。

アリサのポニーテールの髪を撫でながら、俺は途方に暮れた。

しばらくしてから俺はバトゥーサンの香水とKワインの赤を2本置いて、遥の部屋を出た。

次の日、宿泊したホテルをでて、京子の墓前に百合と薔薇と蓮の花束を置いて、煙草に火をつけた。

「京子。お前以上に愛せる女にまだ出会ってないんやけど、お前と同じくらい大切にしたいと想える女に会えた。お前が気づかせてくれたんやな。」と独り言を言った。

一緒に住んでた頃にたくさん京子の写真を撮った。

今でもアルバムを大事にしまってある。

娑婆に戻って東京に行って一か月経った頃、俺を狙う刺客は全員殺した。

豹が立ち上げたサイトの依頼を受けるのに邪魔だった。

人妻の依頼ばかり受けた。

凛みたいなギャンブル狂や豹の父親みたいなDV男、アル中の男等、片っ端から依頼がきた。冤罪になった元少年Aも殺した。

冤罪で捕まって真犯人が見つかったときもそいつを殺した。

偶然4年前にマヤと再会し、いきなり組織から逃げてきた、一緒に住んでといわれてすぐ信頼できるわけもなかった。

ゆゆも逃げたそうだ。

男と暮らしてるから問題ないとマヤは言った。

俺は半信半疑ながらもマヤの肉体の魔力に負けてマンションを借りて一年半、半

同棲した。

俺はまたマヤに恋をして今度こそ離さないとあの頃は誓った。

マヤも俺に抱かれてる間は狂おしく激しく求めてきた。

とても幸福だった。

俺を見つめるマヤの目はとても愛しく可愛くて死ぬ時は一緒やと思った。

決して俺に愛の言葉を言ってくれなかったけれど、お互いに必要な存在だと確信した。

俺が出かけている間、マヤは自分の愛に葛藤し涙する日もあった。

それでいてゆゆから携帯がかかって来たときはクールに計画は順調だと伝言した。

ゆゆは友也の専属モデルに成りすましていた。

遥のデザインした衣装をきて東京ガールズコレクションにでたりした。

マヤの作る手料理は美味しかった。

たまにしか作ってくれなかったが。

たまに「どういうつもりだ」と喧嘩することもあった。

マヤは夜はロシア語講師のバイトに出かけていた。

いずれ頃合いを見計らってテロ組織に俺を差し出して、殺す計画だったらしい。

しかし彼女の唯一の失敗は俺を本気で愛したことだった。

時々ぼんやり、部屋の一点を見つめることがあった。

ゆゆとは連絡を取り合っていたらしいが、組織に筒抜けだとは知らなかった。

そして。一年半後、俺達のサイトに「神崎マヤを殺せ」という依頼がたくさんきて、俺や豹達は呆然とした。

何もしらない4人は早速依頼を受けてしまった。

俺は4人に合わせながら、マヤに逃げるように言って、彼女は逃げた。

ゆゆは女性誌に表紙で載ったことがあった。

そしてホテルで連絡を取り合ってマヤと俺は一週間ごとに会っては深くだきあった。

その間だけ、俺はいつ死んでも後悔しないと思った。

その逢瀬も長く続かなかった。

マヤのテロ組織の1人が俺をめがけて銃口をむけてきたときマヤは「逃げて!」と叫んで俺はマヤを置いて逃げた。

マヤは今頃どうしているだろう。

落ち合う約束の場所に行っても会えず俺は身が引き裂かれる思いだった。

マヤと再会していた事を4人は知らない。

あれからもう3年になる。

一方、東京で楓はマヤの素性と経歴を調べ上げてくうちにマヤの父親が俺の家族を殺していたことを知って愕然とした。

そして、俺を拉致した形で香港で育てた親父がマヤの家族を処刑したことも知り、マヤはこのことを知ってるだろうかと楓は暫く考えた。

「じゃぁ、またくるよ、京子」俺は独り言を言って墓地をでた。

飛行機から景色を眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~サイドストーリー10~蜘蛛になったロックスター

クロムのギタリスト、RUIが旅立ってから3年になる。

友也は高1になって初めて独り暮らしをした。

同じpink色に髪を染めて、ライブの時は後ろに三つ編みの長いエクステをして同じケイクをしてアキラやヨシキのいる高校の文化祭で初ライブをした。

他校の生徒とバンドを組んで以外と好評だったので手ごたえを感じた。

それからバイトしながら女をアパートにほとんど毎日連れ込み、夜はスタジオで練習に明け暮れた。

練習が終わったあと、メンバーでベースやってる奴の家が居酒屋兼ラーメン屋だったのでみんなで寄って一杯食べて、帰る毎日だった。

練習中は楽しかった。

放課後はほとんど、欲望に任せて生きていた。

休憩時間はボーカルの彼女が差し入れにバーガーをもってきてくれたり、隣町の高校のヨシキがスタジオに遊びにきたりそれなりに楽しかった。

クロムやルナのコピーはもちろんダムドのナンバーまでやった。

週末は、横浜や川崎のライブハウスでセッションライブを行い、

友也の高校の女性徒もみにきていた。

ライブ後の打ち上げは煙草やお酒を持ち込んでパーティーをした。

ファンのお持ち帰りも当然した。

クロムやルナが解散するころまでコスプレの女子チームの写真をとってあげた。

学校ほど退屈なものはなかった。

しかし写真部に入ってるのでやめれなかった。

親とちゃんと卒業するのを条件に今の1人暮らしを楽しんでいる。

友也のクラスはグループごとに個性が違った。

コギャルグループからは何かと噂をされた。

友也は保健室の美人な先生にちょっかい出したりした。

クラスの中で時田というゲイの男がいつも俺を観察していた。

放課後、何気なく図書室によったら声をかけられた。

それ以来、なんとなく親しくなった。

彼は大人びてみえた。

友也はRUIの月命日には毎月横須賀に行っていた。

そして、三浦に別荘があることを知った。

松本友明と美也の友達がよく遊んでたコテージ。

時々、時田をつれて、ワインセラーの部屋からワインを持ち出して、こっそり二人で飲んであそんだ。

時田は彼氏を連れてくることもあった。

逗子でナンパしたらしかった。

完全に不良。

教師には髪を黒く染めろと毎回職員室に呼ばれて注意されたが「地毛です。」と言っては困らせた。

もし丸刈りにされたら自主退学しようと思った。

時田は天然パーマなので同じく先生に呼ばれたので赤ちゃんの頃の写真をみせて

天然パーマの証拠までみせたのにストレートパーマにしろと叱られ「パーマは校則に違反するんじゃないですか?」と言ったら、教師は顔を真っ赤にして「口答えするな!」と拳で時田の頭を小突いたそうだ。

あれ以来、二人は何もいわれてない。

「ここ、よく遊びにきたりするの?家族で。」と聞かれ、友也は「いや、親父達はきてないよ。樋口家の伯母さん達がきたりするみたい。」と答えた。

家を出る前はここによく忍び込んで考えごとをした。

姉の沙耶とはよくここでデートをして、15の頃は愛し合った。

夕方には家に何事もなかったように帰った。

今は誰も呼んだことはない。

時田を除いては。

端正な顔立ちの彼はミステリアスで一緒にいてとても落ち着いた。

海の波の音が静かに聴こえて、二人黙って過ごした。

時田はいつも読書をしていた。

友也はギターをつま弾いたりした。

アパートはラブホテルがわりにクラスメイトや先輩に貸していた。

バイトやスタジオに行く時間に。

今はそれなりに楽しい。

時田には勉強を教えてもらった。

3年間同じクラスになるとはこの時は思わなかった。

今でも原宿に行くとクロムやルナのコスプレチームは健在だった。

おまけに神宮橋をはさんでドレインアウェイやピエロのコスプレチームが喧嘩をしていた。

面白いので写真を撮った。

渋谷でコギャル系がいて、ナンパしたが失敗した。

昼ごはんは友也のファンが手作り弁当を作ってきてくれるので昼飯は不自由しなかった。

RUIのパートをコピーするのは難しかった。

でも楽しかった。

中学時代はライブに行きまくったが今は自分のライブで忙しい。

20年後、ヨルダンへ取材に行くことになるとは思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ16~

俺は上原財閥の福社長殺害事件がおきてから標的が現れるかもしれないと思い、

死体の画像をみて犯人の特徴を調べた。

どうみても瞳の刺し方じゃない。

目は見開いていて、断末魔の表情を浮かべていた。

白いワイシャツに緩んだネクタイ。

紺色のスーツの上がらばっさりと刺されていた。

これはプロの仕業だ。

ロッカーの真上に死体をわざわざ置くとは、隠すのに急いでいたからか。

わざと瞳が刺したように見せかけていた。

最初はゲイバーに向かうことにした。

昼なので当然2丁目は静かだろうと思ったが人の多さにうんざりした。

瞳の店は閉まっていた。

夜と違って普通の男女の人間と多くすれ違った。

俺は数時間ぐらい誰か怪しい男がこないか見張った。

もうすぐ12月なので少し肌寒い。

黒いサングラスをかけて久しぶりに染め直した赤い髪を手でなでてみた。

みんなスマートフォンを観ながら歩いていた。

だがそれに気をとられている暇はなかった。

部屋で新しい弾を入れなおしてきた。

十分これだけで間に合う。

今は殺し屋の顔になっていた。

ミントガムを噛んだ。

中に入ってニューハーフに珈琲をブラックで飲んだ。

ナイフを盗んだ奴はたぶん挑戦状だろう。

緒方の妻が容疑者として警察に連行されていた。

黒い人影がみえた。

店の店員に奥に隠れるように指示した。

俺は後ろを振り向いてめがけて銃を撃った。

黒い影はそのまま倒れた。

やはりここも狙ってたか。

黒いスーツ姿の死体が床にうつ伏せになっていた。

死体をみても何も感じない。

そのまま近づいて死体を足で転がした。

頭に顔に傷があるくらいで特に何もわからなかった。

ジャケットのポケットを探した。

財布と携帯をみた。

それを奪い、事務所に戻った。

トシヤと瞳に奴の携帯をみせた。

「こいつに見覚えないか。」

二人は首を横に振った。

机の上に携帯と財布を置き、自分の席のある四角い机にもどった。

ここは結構アンティークなつくりの部屋だった。

椅子に座り、机の上に両足を乗せて、拳銃を指で器用に回した。

時計の針の音が静かになった。

俺は斜め上に丸い壁時計をみた。

まだ夕方には早い時刻。

ため息をついた。

今日は何もかもどうでもよかった。

仕事以外は。

 

 

 

 

 

 

 

特攻隊のロマンス

私がたぶん10~20代の頃に特攻隊の特集を読んだかTVでみたか忘れましたけど、

イタリア文学を専攻して学んでた特攻隊がイタリア語の教科書に「きょうこちゃん、僕はずっときょうこちゃんが好きだった。でも他の人との婚約が決まってから告白しようかどうか思い悩んだ。でも告白しないで出征します。きょうこちゃんに今告白してしまったら、重荷になってしまうから。これでいいんだよね。」そして何もいわずに彼はお国の為に死にました。

これが遺書がわりになってしまっていた。

私は当時これを知ったとき、全国の婚約してたきょうこばあちゃんはこれ知ってどんな気持ちだろうか。と他人事ながら思いました。

本人に思いが届いたかどうか定かでないし私は告白してから死ねばよかったのにとじれったい気もちだった。

戦争の悲惨さは恋ひとつも実らないこと。

これにつきます。

まぁ、戦争のせいにして告白して振られるとわかってたからいわなかったんだろうな。当時の昭和20年代の恋愛事情は知らないしね、私は。

まぁ、それから8年前に特攻隊に私がなってて、桜花に乗って急降下していって今の私の両親の枕元にたって「恥ずかしながら帰ってきました!」と手で敬礼して立った夢を見あれは今思えばあの特攻隊かな。妙にリアルだったから憑かれたのかと思うと怖い。その年に靖国神社を清掃したから。で、今年の12月8日未明かいつか忘れたけど、二人の特攻隊が夢に出てきました。きょうこちゃんを好きな特攻隊だなと今なら思う。ちなみに会ってみたいです。きっとETソウルだろう、その二人は。でも、あれだね、その特攻隊が沖縄に不時着陸していて、生き残って沖縄の美女と結婚してたらなんかやだな。可哀想なはずの話が私の当時の純情を返せ!ってなる(笑)SNSで二人の特攻隊の生まれ変わりだという人とコメントとかでやり取りしたけど、記憶がある人とかは知覧に行って号泣したそう。その人がきょうこちゃんを好きだった人の生まれ変わりだったら怖いです。もし死んでたとしても、きょうこちゃんの子供として生まれ変わってるかもしれないからどんな大人になったか会ってみたいです。生まれ変わりがいたら。あときょうこちゃんという女性に会ってみたいです。知ってたら、きょうこは私だというおばあさんがいたら会ってみたいです。子供やお孫さんになってるかもだしね。そう思うと救いがあるね。なんでここまで気になるのか不思議。実は私の前世だったりしてねw

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ15~

「泉!元気やった?他の2人は何しとるんや」と俺は博昭に尋ねた。

IZUMIというバンドネームで活躍していた。

「ああ、別のバンド組んでVJSに出たよ。」と嬉しそうに言った。

「どっか飲みに行こう。」と俺は池袋の東口あたりの呑み屋を指定した。

「しかし懐かしいな、お前と再会できるとは夢にも思わなかったよ。」

と博昭は本当に懐かしそうだった。

俺も昔のほろ苦い青春時代を思い出した。

ドーリスのメンバーは凛、泉、沢田アキラ、上手の三浦REN、ボーカルは翔平とイケメンV系だった。

翔平は香港人だが日本に帰化して翔平と名乗った。

こいつも俺のかつてのバンド仲間だった。

自分と同じ名前レンと友也の親友、ヨシキは新しいバンドを結成して地道にライブハウスで全国ツアーを回っているそうだ。

ドーリスは奇遇にも博昭の嫁が経営していた。

俺はレンという男のライブを観に行きたいと思った。

あいつのギターはピストルズといった感じだったがラストアルバムでは独自のギタースタイルを確立していた。

顔はまったく似ていない。

池袋のちょっと妖しい宇宙系の呑み屋に行って、俺はお湯割り、泉は梅割りを頼んだ。

色々昔話に華を咲かせた。

俺は生みの親のおかんのおとんとの出会いを聞かされて育った。

二人は同じ大学の山岳部で特に親しくなかったが冬山を登山している時に吹雪で遭難し、近くの山小屋で二人きりで一夜をすごした。

それ以来、交際が始まり、一年で出来婚。

おとんはラーメン屋を継いだ。

子供の頃、一度だけ親父と登山したことがあったっけ。

博昭は今ではプロデューサー、スタジオミュージシャンと地道に活躍していた。

彼は子供嫌いだから一生作らないと決めていた。

代わりに犬を飼っていた。

「まだギターは弾いてる?もう親父さんの後継いだか。」と博昭は静かに聞いた。

英語で会話したのもひさしぶり。

俺を拉致したシャオミンという育ての親はエンケンという俳優に似ていた。

「なぁ、今度一緒にレンのバンド観に行かへん?同じ名前で境遇もまったく違うから興味あんねん。」と博昭にお願いした。

「翔平にも会えるしな。」

俺はあいつの作る歌詞と歌声が好きだった。

「ベースのジョーは?」と俺はそれとなく聞いた。

二人と離れてどうなっただろう。

ドーリスには加入しなかった。

「アキラは念願のSEIJIに会えて感激してたよ、そのまま一緒に呑む関係になった。ジョーは自分の名前のテキーラを作って、色んなV系のサポートベーシストになってる。

だからかな、一時期バッドトリップのサポート務めてた。葬式に出れなかったことを心から悔やんでた。真相とか、俺達にはどうでもいいんだ。あ、カメラマンの松本友也と音楽雑誌の特集で撮影の仕事とかした。」とあのころを懐かしそうに語った。

俺も殺し屋を引退できたらまた博昭達と一緒に音をだしたいと思った。

一方、アリサは偶然フランスにいた頃の高校時代のクラスメイト、デザイナーのHARUKA・Mこと松本遥(はるか)に偶然再会し、以前から遊んだりお互いにLINE交換したり、親戚の友也の別荘に二人で泊まったり色々お互いのことを相談する仲になっていた。遥は俺の息子のレインの初恋の女性だった。

俺と会うときはいつも彼女の話を聞かされた。

遥のマンションに押し掛けて当分家には帰らないから泊めてほしいと言ったら、何も理由を聞かずに今夜から帰る気になるまで好きなだけいていいと言ってくれた。

「普段は遥の服を着てるの。HARUKA・Mの服は知り合いにも宣伝してるわ。貴方の恋人のRANのメンズゴシック服もね。凛にも勧めたけど着てくれなかった。あのヨシキくんは大量に買ってくれたけどね。今じゃステージ衣装にしてるわ。」とアリサ。

「ねぇ、私は夫婦のことはわからないけど、いつまでも逃げてちゃ駄目よ。何があったかわからないけど、また会ってちゃんと一度じっくり話し合ったほうがいいと思う。」と遥は言って、仕事部屋に出かけて行った。恋人はスペイン人男性でパタンナー

遥のパートナーだった。

1人部屋に取り残されたアリサは昼だというのに冷蔵庫からblueberryとルイメリーのシャンパンを録り出し、ラッパ呑みした。

ちっとも美味しくなかった。

凛はアリサの勤めている中華料理店に行ったが長い有給休暇を取ったと知り、いよいよ不安になった。

居場所は教えてくれなかった。

失いそうになって初めてアリサの存在の大きさに気づき、自分でも狼狽えた。

凛は香港に帰ってるかもと思い、成田空港へ行き、香港についてから、

ヤケクソになってカジノバーへ行き、今度はたくさん勝ってもうけたが嬉しくなかった。

高美はラジオのゲストにヨシキ1人を呼び、収録が終わってから打ち上げと称して呑みにいった。

そこで友人のデザイナーの所にアリサが泊まりこんでると知り、凛と別居中だと知らされた。

高美は白鳥透の友人でもあったので香港に行って、カジノバーで凛をみつけた。

そして二人でビリヤード対決をしてもし自分が勝ったらお願いを聞いてもらい、

もし負けたらアリサの居場所を教えるといい、明け方まで勝負をした。

結局、高美が勝った。

KANONに昔教えてもらったそうだ。

高美は豹の詩集も読破していて用意周到だった。

俺は後日、凛から事の成り行きを聞き、アリサを探した。

凛には殺人事件を話し、早く戻ってくるように伝えた。