薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~紫のナイフ16~

俺は上原財閥の福社長殺害事件がおきてから標的が現れるかもしれないと思い、

死体の画像をみて犯人の特徴を調べた。

どうみても瞳の刺し方じゃない。

目は見開いていて、断末魔の表情を浮かべていた。

白いワイシャツに緩んだネクタイ。

紺色のスーツの上がらばっさりと刺されていた。

これはプロの仕業だ。

ロッカーの真上に死体をわざわざ置くとは、隠すのに急いでいたからか。

わざと瞳が刺したように見せかけていた。

最初はゲイバーに向かうことにした。

昼なので当然2丁目は静かだろうと思ったが人の多さにうんざりした。

瞳の店は閉まっていた。

夜と違って普通の男女の人間と多くすれ違った。

俺は数時間ぐらい誰か怪しい男がこないか見張った。

もうすぐ12月なので少し肌寒い。

黒いサングラスをかけて久しぶりに染め直した赤い髪を手でなでてみた。

みんなスマートフォンを観ながら歩いていた。

だがそれに気をとられている暇はなかった。

部屋で新しい弾を入れなおしてきた。

十分これだけで間に合う。

今は殺し屋の顔になっていた。

ミントガムを噛んだ。

中に入ってニューハーフに珈琲をブラックで飲んだ。

ナイフを盗んだ奴はたぶん挑戦状だろう。

緒方の妻が容疑者として警察に連行されていた。

黒い人影がみえた。

店の店員に奥に隠れるように指示した。

俺は後ろを振り向いてめがけて銃を撃った。

黒い影はそのまま倒れた。

やはりここも狙ってたか。

黒いスーツ姿の死体が床にうつ伏せになっていた。

死体をみても何も感じない。

そのまま近づいて死体を足で転がした。

頭に顔に傷があるくらいで特に何もわからなかった。

ジャケットのポケットを探した。

財布と携帯をみた。

それを奪い、事務所に戻った。

トシヤと瞳に奴の携帯をみせた。

「こいつに見覚えないか。」

二人は首を横に振った。

机の上に携帯と財布を置き、自分の席のある四角い机にもどった。

ここは結構アンティークなつくりの部屋だった。

椅子に座り、机の上に両足を乗せて、拳銃を指で器用に回した。

時計の針の音が静かになった。

俺は斜め上に丸い壁時計をみた。

まだ夕方には早い時刻。

ため息をついた。

今日は何もかもどうでもよかった。

仕事以外は。

 

 

 

 

 

 

 

特攻隊のロマンス

私がたぶん10~20代の頃に特攻隊の特集を読んだかTVでみたか忘れましたけど、

イタリア文学を専攻して学んでた特攻隊がイタリア語の教科書に「きょうこちゃん、僕はずっときょうこちゃんが好きだった。でも他の人との婚約が決まってから告白しようかどうか思い悩んだ。でも告白しないで出征します。きょうこちゃんに今告白してしまったら、重荷になってしまうから。これでいいんだよね。」そして何もいわずに彼はお国の為に死にました。

これが遺書がわりになってしまっていた。

私は当時これを知ったとき、全国の婚約してたきょうこばあちゃんはこれ知ってどんな気持ちだろうか。と他人事ながら思いました。

本人に思いが届いたかどうか定かでないし私は告白してから死ねばよかったのにとじれったい気もちだった。

戦争の悲惨さは恋ひとつも実らないこと。

これにつきます。

まぁ、戦争のせいにして告白して振られるとわかってたからいわなかったんだろうな。当時の昭和20年代の恋愛事情は知らないしね、私は。

まぁ、それから8年前に特攻隊に私がなってて、桜花に乗って急降下していって今の私の両親の枕元にたって「恥ずかしながら帰ってきました!」と手で敬礼して立った夢を見あれは今思えばあの特攻隊かな。妙にリアルだったから憑かれたのかと思うと怖い。その年に靖国神社を清掃したから。で、今年の12月8日未明かいつか忘れたけど、二人の特攻隊が夢に出てきました。きょうこちゃんを好きな特攻隊だなと今なら思う。ちなみに会ってみたいです。きっとETソウルだろう、その二人は。でも、あれだね、その特攻隊が沖縄に不時着陸していて、生き残って沖縄の美女と結婚してたらなんかやだな。可哀想なはずの話が私の当時の純情を返せ!ってなる(笑)SNSで二人の特攻隊の生まれ変わりだという人とコメントとかでやり取りしたけど、記憶がある人とかは知覧に行って号泣したそう。その人がきょうこちゃんを好きだった人の生まれ変わりだったら怖いです。もし死んでたとしても、きょうこちゃんの子供として生まれ変わってるかもしれないからどんな大人になったか会ってみたいです。生まれ変わりがいたら。あときょうこちゃんという女性に会ってみたいです。知ってたら、きょうこは私だというおばあさんがいたら会ってみたいです。子供やお孫さんになってるかもだしね。そう思うと救いがあるね。なんでここまで気になるのか不思議。実は私の前世だったりしてねw

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ15~

「泉!元気やった?他の2人は何しとるんや」と俺は博昭に尋ねた。

IZUMIというバンドネームで活躍していた。

「ああ、別のバンド組んでVJSに出たよ。」と嬉しそうに言った。

「どっか飲みに行こう。」と俺は池袋の東口あたりの呑み屋を指定した。

「しかし懐かしいな、お前と再会できるとは夢にも思わなかったよ。」

と博昭は本当に懐かしそうだった。

俺も昔のほろ苦い青春時代を思い出した。

ドーリスのメンバーは凛、泉、沢田アキラ、上手の三浦REN、ボーカルは翔平とイケメンV系だった。

翔平は香港人だが日本に帰化して翔平と名乗った。

こいつも俺のかつてのバンド仲間だった。

自分と同じ名前レンと友也の親友、ヨシキは新しいバンドを結成して地道にライブハウスで全国ツアーを回っているそうだ。

ドーリスは奇遇にも博昭の嫁が経営していた。

俺はレンという男のライブを観に行きたいと思った。

あいつのギターはピストルズといった感じだったがラストアルバムでは独自のギタースタイルを確立していた。

顔はまったく似ていない。

池袋のちょっと妖しい宇宙系の呑み屋に行って、俺はお湯割り、泉は梅割りを頼んだ。

色々昔話に華を咲かせた。

俺は生みの親のおかんのおとんとの出会いを聞かされて育った。

二人は同じ大学の山岳部で特に親しくなかったが冬山を登山している時に吹雪で遭難し、近くの山小屋で二人きりで一夜をすごした。

それ以来、交際が始まり、一年で出来婚。

おとんはラーメン屋を継いだ。

子供の頃、一度だけ親父と登山したことがあったっけ。

博昭は今ではプロデューサー、スタジオミュージシャンと地道に活躍していた。

彼は子供嫌いだから一生作らないと決めていた。

代わりに犬を飼っていた。

「まだギターは弾いてる?もう親父さんの後継いだか。」と博昭は静かに聞いた。

英語で会話したのもひさしぶり。

俺を拉致したシャオミンという育ての親はエンケンという俳優に似ていた。

「なぁ、今度一緒にレンのバンド観に行かへん?同じ名前で境遇もまったく違うから興味あんねん。」と博昭にお願いした。

「翔平にも会えるしな。」

俺はあいつの作る歌詞と歌声が好きだった。

「ベースのジョーは?」と俺はそれとなく聞いた。

二人と離れてどうなっただろう。

ドーリスには加入しなかった。

「アキラは念願のSEIJIに会えて感激してたよ、そのまま一緒に呑む関係になった。ジョーは自分の名前のテキーラを作って、色んなV系のサポートベーシストになってる。

だからかな、一時期バッドトリップのサポート務めてた。葬式に出れなかったことを心から悔やんでた。真相とか、俺達にはどうでもいいんだ。あ、カメラマンの松本友也と音楽雑誌の特集で撮影の仕事とかした。」とあのころを懐かしそうに語った。

俺も殺し屋を引退できたらまた博昭達と一緒に音をだしたいと思った。

一方、アリサは偶然フランスにいた頃の高校時代のクラスメイト、デザイナーのHARUKA・Mこと松本遥(はるか)に偶然再会し、以前から遊んだりお互いにLINE交換したり、親戚の友也の別荘に二人で泊まったり色々お互いのことを相談する仲になっていた。遥は俺の息子のレインの初恋の女性だった。

俺と会うときはいつも彼女の話を聞かされた。

遥のマンションに押し掛けて当分家には帰らないから泊めてほしいと言ったら、何も理由を聞かずに今夜から帰る気になるまで好きなだけいていいと言ってくれた。

「普段は遥の服を着てるの。HARUKA・Mの服は知り合いにも宣伝してるわ。貴方の恋人のRANのメンズゴシック服もね。凛にも勧めたけど着てくれなかった。あのヨシキくんは大量に買ってくれたけどね。今じゃステージ衣装にしてるわ。」とアリサ。

「ねぇ、私は夫婦のことはわからないけど、いつまでも逃げてちゃ駄目よ。何があったかわからないけど、また会ってちゃんと一度じっくり話し合ったほうがいいと思う。」と遥は言って、仕事部屋に出かけて行った。恋人はスペイン人男性でパタンナー

遥のパートナーだった。

1人部屋に取り残されたアリサは昼だというのに冷蔵庫からblueberryとルイメリーのシャンパンを録り出し、ラッパ呑みした。

ちっとも美味しくなかった。

凛はアリサの勤めている中華料理店に行ったが長い有給休暇を取ったと知り、いよいよ不安になった。

居場所は教えてくれなかった。

失いそうになって初めてアリサの存在の大きさに気づき、自分でも狼狽えた。

凛は香港に帰ってるかもと思い、成田空港へ行き、香港についてから、

ヤケクソになってカジノバーへ行き、今度はたくさん勝ってもうけたが嬉しくなかった。

高美はラジオのゲストにヨシキ1人を呼び、収録が終わってから打ち上げと称して呑みにいった。

そこで友人のデザイナーの所にアリサが泊まりこんでると知り、凛と別居中だと知らされた。

高美は白鳥透の友人でもあったので香港に行って、カジノバーで凛をみつけた。

そして二人でビリヤード対決をしてもし自分が勝ったらお願いを聞いてもらい、

もし負けたらアリサの居場所を教えるといい、明け方まで勝負をした。

結局、高美が勝った。

KANONに昔教えてもらったそうだ。

高美は豹の詩集も読破していて用意周到だった。

俺は後日、凛から事の成り行きを聞き、アリサを探した。

凛には殺人事件を話し、早く戻ってくるように伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ14~

早速事務所に戻ってTVを付けたら死体が清掃員によって発見されて警察がきてニュースになっていた。

被害者は緒方博昭(おがたひろあき)66歳。男性。

妻が任意同行で事情聴取されてるとのこと。

アイスピックとくだものナイフと小型のナイフが凶器と断定された。

それらは鑑識にまわされた。

ミリコのパパだと豹がもう教えてしまったから逆上してこんなことになったのか。

瞳と井川由美子がなぜか青くなっていた。

「なんで瞳のナイフが刺さってんの?」とトシヤ。

瞳は激しく首を振った。

俺は瞳の太ももをスカートをめくってナイフの数を調べた。

一本足りない。

「どこかで落としたのか。お前のことは信じる。」

瞳はただ首を左右に振るだけでなにも言わなかった。

「あの事件の時から足りなくて探してたらしいよ」と通訳するトシヤ。

「お前口利けヘんのか?」と俺は詰め寄った。

「私はあのアイスピックは持ってない。ここにある。」と井川由美子まで急に俺にアイスピックを向けて無実を必死に鬼気迫る表情で訴えた。

俺は焦って「ま、待て、誰も御前だなんて疑ってない。なんでいつもそんなもんもってる?」と逆に足でお腹を蹴って由美子は壁に背中をぶつけてしまった。

「元ヤンだったし、昔ぐれてたから『アイスピックのユミ』と恐れられたものよ。」と昔の武勇伝を語り始めた。

楓は笛を吹いた。

「そのアイスピック、没収」というと、警官達がきて、取り押さえられてアイスピックを取り上げられて外に連れ出されそうになった。

「待って!そのインスタみせてよ!」と警官達を力ずくで放し、俺のスマホ画像に見入った。

「これって、クロムのカノンでしょ」と興奮気味に聞いた。

「お前、fanなのか、それどころじゃないだろ、」といいつつ自慢げにみせた。

「ここどこのホテル?会員制で入れるとか、貴方すごいわね。ちゃっかりポーズとっちゃって。私はヴォーカルの瞬ラブよ。会員番号8番。まだ再結成するまえに女子刑務所に慰問で歌いにきてくれたの。洗脳騒動をTVでみたから間違いないと思った。すごく感動したわ。歌がうまくて生い立ちまで語ってくれて涙なしに聴けなかった。」

トシヤは仰天して「おい、そのころはまだあっちの世界にいた頃だぞ」と由美子をたしなめたが、話が止まらない。「再結成が決まって記者会見開いた時は感動したわ。面会の時に本を弁護士に買ってきてもらって読んだ。去年は我慢できなくて脱走して全国ツアーを全通したほどよ」と興奮気味に語った。

「なんでまた戻ったんや。てかお前何やらかして終身刑なんや。凛はまだこねえし、肝心な時に遅刻かよ」と俺は由美子に聞いた。

由美子は瞬マイメロのぬいぐるみまで見せて「これはお守り。私の両親もテロで捕まって死刑囚。私はそれで白い目でみられて不良の仲間に入って強盗や喧嘩、私を強姦しようとした奴をアイスピックで二人刺し殺してしまった。そう、あの阪神大震災が起きた後に東京に一家で引っ越して両親が実行犯で地下鉄異臭事件を起こした。それで、、、」と急に号泣しだし、俺の胸に抱きついてきた。

俺は焦って「わかったからもう泣くな。お前は更生できてるしだから一応借釈放なんだよな」と頭を撫でた。

「身の上話はこのファイルに全部載ってるからあとでじっくり見なさい」と楓は俺達を引き離して、俺のインスタをみた。

「何、顔世界中に晒してるのよ。貴方自分の立場、自覚してるの?」とかんなに呆れられて怒られた。

「うわ、香港のフォロワー多い。しかもみんな嬢!」とトシヤが感心した。

TVでは上原財閥の副社長ということになっていた。

「げ、上原って、智宏の妻の家じゃないか。すげえお嬢様。なんで家出したんや」と俺は不思議に思ってつぶやいた。

豹は「緒方の息子と政略結婚させられそうになったからや。副社長の息子が上原財閥の社長候補になってるで。」と俺にファイルを渡した。

TVでは泰造という名前の息子が涙を白いハンカチで拭って記者会見を社長と一緒にしていた。

お通夜の会場から生中継。

俺はこの息子が自分の父親に似ていると思い、胸が痛くなった。

上原ナナはTVを観て「叔父さん、気の毒ね。」とつぶやいた。

女性雑誌の撮影場所で。

智宏は毎週放映されるドラマ「居酒屋レン」の主役として出演していた。

毎回女性客に恋をして振られる高視聴率ドラマで爆発的ヒットしていた。

俺はそのドラマで名前を呼ばれるたびに飲んでるものを吹いた。

共演女優はママ役の桃井薫子。

弟のように慕う役どころ。

そういえば、博昭といえば、日本人として高校の時香港の日本企業に赴任した両親の為に転校生として俺と一番親しくなってバンドをやり始めたドラマーだったことまで思いだした。

あいつはたしか、ドレインアウェイと同じ事務所でデビューしたはずだが、ドーリスのドラマーになったんだっけ。

元気かな、凛に此の事を教えたらびっくりするやろな。

それにしても凛は遅い。

風邪でも引いて寝込んでるのか。

アリサがいるから心配ないな。

俺はドーリスに元メンの嫁がいると知ってたので同じ名前のレストランに行ってみる事にした。

豹に「おい、お前に頼まれたとうり調べた。これ資料。コピーしといたから今渡す。楓にUSB持ってかれたから。これからどうする?」と聞かれ、「あ、その事はまた明日。今夜メールして」と言ってドーリスへ行った。

ミリ子は「パパ、、、!」と顔面蒼白になり、トレイを床に落として店を早退した。

女店長は実の娘と勘違いして同情してミリコをアパートへ帰した。

女店長に元ドーリスのドラマーはいないかと連絡を聞いた。

高校時代の同級生だと教えたら、呼んでくれた。

俺は胸が熱くなり、運命の再会の抱擁をした。

博昭は子供の頃にタップダンスを習っていた。

日本刀を集めるのが夢だった。

俺のバンドでは唯一のクロムfanだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ13~

アリサは早朝、ついに耐え切れず、ベッドにもぐりこんでる凛を蹴飛ばして起こしてしまった。

「んだよ、寝かせろよ、昨日は飲みすぎたんやから」と凛は眠そうに目をこすりながらアリサを見上げた。

仁王立ちで立ってて、目がつりあがっていたので飛び起きた。

「ルカって女から電話がきたんだけど、勝手に私の携帯番号を他の女に教えないで。」とばっと、携帯の着信歴を見せた。

凛は流香をルール違反だと忌々しい気分に襲われながらありとあらゆる言い訳を考えた。

「知らんわ、そんなギャルバンみたいな名前。健に俺よう間違われるからそいつの女と間違われたんや、お前。災難やったな、気持ちようわかるわ。俺も現役時代双子っていわれたし?」と冷静を装いながらトイレに行こうとしたら、「じゃぁ、なんで凛と別れてくださいなんて敬語で言われたのかしら。健ってギタリストと高美ちゃんと友達だから知ってる人は知ってるけど貴方と彼の名前間違えるなんて奇特なバンギャね。」

凛は冷や汗をかいた。

「せやな、」と冷蔵庫の中のエビアンを取り出して一気飲みして一息ついた。

「もうちょっとマシな嘘つけないの?いつから?その流香って女とは」

とアリサはテーブルの椅子の背もたれを前にどっかりと両足を開いて頬杖をついた。

凛は心の中で(やばい、アイスピックで刺される、もうどうにでもなれ)と開き直り

「聞いてどないするんや?」

と、テーブルの椅子を引いて座って睨み返した。

アリサは「どうして?私達、一度は足洗ったじゃない。なんでまた戻ったの?日本の男は妻をどうして女としてみてくれないの」と泣きそうな顔を両手で覆った。

凛はアリサが泣いてるのかと思い謝ろうと思った。

「あれは。。仕方なかったんや。蓮や瞳の仲直りをさせたかった。あいつを慕ってるロシアンマフィアから俺は蓮を引き離す為にはモスクワに返すしかなかった。お前も日本に来る直前まで銃を捨てきれなかったやろ。今は俺はもう後戻りできない。それに、流香は元俺のfanでたまたま知り合って飲み友達。よって何もやましいことはありません。以上!ほなもう出かけなあかん」と言ったら、アリサの姿はなかった。

あたりを探したら、アリサはおおきなキャリーケースをもって玄関に向かおうとしているところだった。

「おい、話最後まで聞けよ。てか今から旅行?どこに行くのかな。俺も行ってええか?」と凛は顔を引きつらせながら明るく聞いた。

アリサは凛の顔を平手でひっぱたいた。

凛はアリサを睨んで「俺に喧嘩売ってるんか」と低い声で言った。

「先に喧嘩売ってきたのはあなたの女でしょ」とアリサは凛の殴り返そうとした手を掴んだ。

「私、貴方になにかひどい事した?浮気なんかしたこともない貴方のために毎日手料理をこしらえて待ってたのよ。貴方の為に人を2度と殺さないと誓った。それなのになんで裏切るの」と凛をなじった。

「お前は、なんも悪くない。俺が悪いんや。お前の気持ちが重すぎて、つい、破目をはずしただけや。俺だってお前よりも好きな女に今迄出会ったことなんかないで。ただ、懐かしくて、眩しくて、思い出が痛くて戻りたくても戻れないから夢みただけ。それだけや。」

アリサは凛を哀し気に見つめた。

「やめて。もう言い訳も聞きたくない。顔も観たくない」と言ってマンションを出て行った。

キャリーケースのガラガラという音とヒールの足音が空しく廊下に響いた。

凛は玄関に立ち尽くしたままだった。

その日の朝、俺はあやかの居るキャバクラで徹夜で飲みあかしてしまったので、

二日酔いを覚ます為に会員制のプールでひと泳ぎした。

23才の若い男が泳いでいた。

見事なクロール。

リクはこんな所で泳ぐイメージじゃないから間違われることはないだろうと思った。

が、金髪のおっさんに「リク、なんでここにいるの。」と笑いながら話しかけられたので腹が立ち、プールからあがったら、立花だった。

「立花さん、なんでここに?」と俺は驚いた。

向こうも驚いたらしく「え、俺とそっくりな人、他にもいるの、怖い」と苦笑していた。

「あ、人違いです。すみません、では」と帰ろうとしたが立花が珍しく酔っていて、

「てめえ、誰に口聞いてんだ」と腕を掴まれた。

酔っ払いに絡まれるとは。

(てめえこそ誰だ)、と苛立ち、無視して手を離してロッカー室に戻った。

「カノン」と白人男性が英語でそいつに話す声が聞こえた。

俺は後ろを振り返った。

こいつがあの映画にもなった、エナジーバンパイアか?

何やら英語で「ねぇリクじゃないの?、あの人なんか本人より怖いし日本語も変だったし。」と言っていた。

どうみても俺のほうが日本語がこいつより堪能なんだが。

白人男性はドクターだった。俺は(病み上がりに泳ぐとかここにピアノないはずなのに弾いてから帰るとか、どんだけ酔ってんだよ、流石ロックスター、発想がぶっとんでるな)と思いつつ、ロッカー室に向かったが、

カノンという男がガウンを着て走ってきた。

「エクスキューズ・ミー」と急に低姿勢で謝罪された。

「気にしないでいいですよ、よく間違われるんで。あ、記念に握手してください。俺fanなんで」と笑顔で返して自分の携帯でセルフィーを撮ってもらい、ロッカー室に行って着替えをした。

ロッカー室を出るときにカタンっと音がした。

何かが落ちたので元の場所に戻ったら血だらけのアイスピックが落ちていた。

上を見上げたら男の死体がロッカーの上に乗っていた。

俺はさっきセルフィーしてもらった携帯で死体を写メして一応かんなに画像を送った。

胸にナイフが突き刺さっていた。

血がポタポタと落ちていた。

疑われるとまずいので即逃げた。

遠くからピアノの音がしたが気のせいだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ12~

最近、俺達のテロ対策本部宛に尚樹から「K・ワイン」とボジョレー・ヌーヴォーが届いた。

この前の事件が解決したことへのお礼だった。

俺はミリコの影響でシャンパンを毎晩嗜む程度だったが、両方、今年解禁の赤ワインだったのでボジョレーは赤、Kワインは白を選んで今夜は自棄酒することにした。

松田友美と一緒に部屋で「ツィンピークス」シリーズを観る約束をしたからだ。

高美と尚樹は喧嘩したらしい。

まさか殺し屋を雇っていたとは思わなかったからだ。

高美は友達の為に助けてあげたのにと憤慨していた。

里緒からも高美のインタビューの後、兄と彼女の不倫関係に気づいて俺に二人を別れさせてほしいと頼まれた。

高広はよく凛の不倫相手の流香のバンドとライブハウスで対バンしていた。

俺はミリコへの未練を募らせていた。

帰り際に豹にミリコのパパの素性を調べてあいつの妻の家のポストに写真を入れるように頼んでおいた。

きっとミリコは俺の所に泣きついてくるだろう。

あいつをあやかのいるキャバクラに売り飛ばしてやろうと企んだ。

俺は初めて失恋した。しかも片想いだった。

食事以外で友美と会うのは初めてだった。

当然だがあまり嬉しくなかった。

偶然、雪乃さんと同じタワーマンションだった。

彼女にエレベーターで一緒になった。

「桐生会のこと、ありがとう。助かったわ。」

雪乃さんはとても綺麗な女性だが俺には手の届かない人にみえた。

「それは凛に言ってくださいよ。あいつと豹が計画して、刑事が感づいておとり捜査して逮捕までこぎつけたんですから」と爽やかな笑顔をみせて謙虚に言ってみせた。

雪乃は俺の手をぎゅっと握りしめて「お礼はあとでたっぷりしてあげるからマスコミには黙ってて」と耳元で囁くとエレベーターの中から出て行った。

さすが、V系のボーカルの樹がメロメロになるだけあるな、と後ろ姿に見惚れた。

しかし彼女からはそれ以降、なんの連絡もない。

友美の部屋に行き、事件のことは何も話さず二人で腐ったチーズを食べながら、ワインを乾杯し、しばらく海外ドラマを無言でみた。

友美は「うわぁ、これKワインでしょ?クロムのリーダーがワインオタクで畑まで持ってるっていう。新作ね。美味しい。チーズにも合う」と語尾を伸ばしてワインの味を堪能した。

「そう?俺は白が好きやけど、今夜はお前の為に赤をもってきたけど正解やったな。けどなんで詳しいん?あ、そっか、友也さんと仕事してるからか」と俺は妙に納得した。

5月のあの日、マヤを見逃してしまった。

もしマヤに追いついていたら冷静に彼女を捕まえることができただろうか。

まだマエストロの依頼を受ける前で豹とふざけた仇討ちごっこをしていたころだった。

友美から依頼を受け見張っていた。

でも今はそんなことどうでもよかった。

今ならマヤに会ったらすぐに身柄を五十嵐やかんな達に拘束させることができる。

そんなことを考えながらドラマをみていたら友美が突然「私、婚約したから。」といわれ驚いて彼女の顔をみた。

「おい、マジか、俺がいるのに」とふざけて止めるふりをした。

「何いってんの。先に他の女作ったのは貴方のほうでしょ。」とおどけて友美は笑った。

二人リビングに並んで座って赤ワインを一本開けた。

友美は酒豪だった。

「相手は誰?やっぱ同僚の編集者とか?」と笑いながら聞いた。俺達はいつのまにか友人関係になっていた。

「んー、ジャンルは違うけどぉ、クラシック評論家の白鳥 透。知ってる?友也さんと一緒に2年前KANONさんの東京のピアノのコンサートを観に行って紹介されたの。その時、透はKANONさんと一緒に世界ツアーを回っていた女性のバイオリニストの取材をしていて、その打ち上げで紹介されて連絡先を聞いて去年から恋人になってめでたく婚約!」と両手をあげて友美はベッドに寝転んだ。

俺はちっとも面白くなかった。

「へぇ、よかったな。」とだけ言って2本目の赤ワインを開けて二つのグラスに注いだ。

「透から熱烈なアプローチされて色々クラシック聴かされて。私まで通になったわ。彼クロムのアルバムまで全部持ってるの。透は完全にカノン信者よ。クラシックしかそれまで興味なかったんだって」

友美の話を聞いてるうちに今夜だけでも友美を独占したいと思った。

「あのバンドに出会って人生狂わされた奴何人おるやろな。薫や友也さんや凛と健、あとSHIN?瞳の幼馴染とかな。あいつ絶対エナジーヴァンパイアや!」とベッドに腰かけて、友美にいたずらっぽく話しかけた。

「何それ?あんたもネット掲示板に毒されてるの?映画みたらそんなのデマだってわかるよって諭された。来年公開されるから一緒にみようって誘われてるの。ウェンブリーアリーナのライブも今年の来日コンサートも行こうっていわれた。」とベッドから起き上がり、グラスの赤ワインを一口呑んだ。

「ね。これもう一本くれない?透が喜ぶわ」と酔った目で頼まれた。

「なんで俺がお前らの婚約記念にワイン調達せなあかんねん。」と俺は釈然としないままグラスのワインを呑み続けた。

友美の唇は赤ワインの色に染まっていた。

「そんなにほしかったらくれてやるよ、一年分。ただし、ただじゃあげない。」と友美を押し倒した。

プライベートじゃロック聴いて、仕事はクラシックの評論家やってるなんて変な婚約者だ。

友美は意外に抵抗しなかったので拍子抜けした。

そのまま見つめ合ってキスをした。

人の物を奪うのは案外気持ちがいいものだ。

俺は興奮した。

そのまま、服を脱がそうとしたが「やめて」と止められて、俺達はまたワインを呑んだ。

「やらせろよ、まだ独身だろ。その気がないなら男を部屋に入れるな」と俺はおあずけを食らい、自棄になって帰ることにした。

つまらない女。

「まだ、時々フラッシュバックするの。あの日のことー。」と友美はマヤの襲撃事件のことを思いだしていた。

俺は黒いコートを着て「あのことは誰にもいうな。本になるんだろ?サイン会はやめたほうがええで。」といったら友美が引き留めようとして、彼女のスマートフォンが鳴った。

白鳥透からだった。

「でろよ。」と俺は行ってドアを閉めた。

ドアの前でため息をついた。

京子の時の二の舞はごめんだ。

凛は雪乃と樹に会って「ドーリス」で食事をした。

アリサと一緒に。

今日は入籍してから2年目だった。

ミリコが今だにウェイトレスとして働いていて食事をテーブルに運んできたので凛は思わず「あ、ポケベル女」と後ろ姿をみてつぶやいた。

今はハリウッド女優似か。

「本当、ツインピークスに出てくる女性そっくり」とアリサもみた。

アリサはトシヤから蓮との事を聞いて気の毒に思った。

もうひとつ、トシヤが口を滑らせて流香のことをしゃべってしまった。

最近凛の帰りが遅く女性用の香水の匂いがしたり、怪しかった。

いつも二人でいてもうわの空だった。

朝に問い詰めようと思った。

凛はトニーさんにもばれてしまい「ええか、絶対に浮気を認めるな!認めたら終わりやで」と反対されるどころかアドバイスされていた。

凛は夜中に携帯がなっても無視をした。

アリサはとても不安になっていた。

今迄冷静を装ってきたが限界だった。

蓮にだけは相談したが「あいつはお前に一途やから、心配せんでええよ。俺はいつでもお前の味方やからなんでもいって」と止めたはずの煙草に火をつけて火傷をしていた。

蓮は嘘が下手。

アリサはそれで確信した。

その頃、高美は松田友美の新書を読んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灰色の街~紫のナイフ11~

俺はこの仕事をやめてミリコをやめさせて一緒に暮らしたいと思った。

彼女のことがほっておけなかった。

けれど指示があるまでは動けない。

そんな悶々とした日々を送っていた頃、高美と会った。

彼女はまた一段と色っぽく綺麗になっていた。

こいつも「頂戴お化けか」。

俺は苦笑した。

「私達、12月から今更感だけど、熊本や東北の復興支援全国ツアーをすることにしたの。一か月年末のカウントダウンも入れてね。

イブもいれるかな。

貴方達はついてこなくていいから。物騒だし?」

と高美は目を輝かせながら言った。

「なんで?社長に頼まれてるんやで。お前んとこの社長は中道思想やから右派バンドや左バンドの歌詞とメロディーとか重視したバンド抱えてるしな。

愁二とか。社長は憲法改正派やって。せやから雇われたんや。お前もよく聖女面してこの世界で歌ってられるよな。ラジオ聴いて呆れた。いくら友達思いでも仇討ちとか信じられへんわ。裏の顔とか知られたらお前ら終わりやで。お前デスノートとか好きそう」と俺は少し軽蔑の気持で言い返した。

高美は「クロムハーツの元プロデューサーをゲストに迎えたのは若い女性とユニットとして新人デビューしたからよ。あくまでもプロモーションの為。私一年前は『徹世の部屋』のゲストにも出たことあるの。不死鳥の女がキャッチコピーみたいなもの。

あの二人と話した時、音楽をやり始めた時の初期衝動を思い出したの。

楽しかった。自分の中の毒が浄化される感触がした。

みおには嫉妬したけどね。『ツジミオ』よ。聴いてみて。」

と高美はわざわざ配信したのをダウンロードしていて俺にIpadを渡した。

俺は断った。

「こんなもん聴いたら人撃てなくなる。」とかっこつけて言ってみた。

高美は「それでいいのよ。殺し屋なんかみんなやめたほうがいいのに。」と意外なことを言い出した。

高広の影響か。

「お前こそ仇討ちやめえや。俺は絶対家族を取り戻すまでやめへんけどな。お前はまだ引き返せる。このままやと歌えんようになるで」と言った。

「そうかもね。津地さん達とあのあと飲みに行ってクロムやカノンの話で盛り上がったの。

知ってる?カノンの本名は加納密樹ってー。」俺は高美の話を遮って「雪乃さんの件、早く片付けるよ。ちょっと私情挟んでまうけど」と用件を言った。

高美は息を飲んだ。

俺の生い立ちとかは知ってたので家族は永遠に取り戻せるはずないのに何を言ってるのかといいたげでもあり、少し殺しに怯えているようにもみえた。

「お前の件、引き受けるのは今回限り。もう暴走すんなよ。凛の弱みにつけこむな。これで終わり。

お前が殺し頼んだんやろ?犯罪やで。友情ごっこはアホらし。たしかに奴らヤクザは何度ムショ入っても更正せえへんけど、お前はまだ間に合う。」

高美は下を向いた。長い金髪に隠れて顔の表情はみえなかったが拳を握りしめた手が小刻みに震えていた。

「わからない。もしまた、大切な人が危険な目に遭ったら、私何するか、時々こんな自分に嫌気がさすの。高広はそんな私を受け入れてくれた。今殺したい人は奥さんと貴方と昔関係あった神崎マヤよ。京也にそっくりな西村豹の元カノでしょ。京也に会ってほしくないの。」

俺は高美の言う言葉を無視して歩いて行った。

マヤだと?いやソフィアだ。

京子ならともかくマヤのことまで知ってたのか、俺が話したんだが。

流石にミリ子のことを惚気る気が失せた。

高美はラジオで言っていた。

「歌っているときは無心になれるのよね。

一番雑念が消える瞬間。ステージにいる間は。

天使になった気分でいられる。音楽を聴いてる間や作っている間もピュアでいられる。

ピアノやギターも独学で覚えた。ピュアでいたいから音楽をやってる。今音楽やめたら本当に駄目人間になっちゃうかもね。」とー。

仕事を離れると悪女に戻るのか。

美と毒を併せもつV系の歌姫。

ミリコと半同棲を始めてから一か月半が過ぎた。

ミリコから突然「私この仕事をやめる。パパがみつかったの。今までありがとう。」と笑顔で言われて戸惑った。

「は?お前の親父が行方不明やったんか?ならよかったやんか。けどいきなりなんで?まぁ親はそりゃ娘なら反対するわな。俺が上手く説得する」と言ったら彼女は笑いながら「そのパパじゃなくてお金たくさんくれる人。寝ただけで。大企業の社長さんでロリコン。でね。」その瞬間、俺は目の前が真っ暗になった。

途中から彼女の声が遠くに聞こえていた。

目の前のミリコが斜め上下に揺れていた。

笑い声もエコーのように耳に響いた。

俺は「ほな、よかったな。また新しい子入るから店は心配せんでええで。」と無理に笑顔を作って祝福していた。

またホスクラに通うお金ができて新しいホストを指名できると喜んでいた。

俺は彼女の部屋をでて街路樹を歩きながらスカウト会社に向かったが豹のいる事務所に戻った。

やけに紅葉が綺麗すぎて胸が痛かった。

枯れ葉が風に舞って、俺のまわりを囲んでいた。

涙もでなかった。

俺の女神がみんな壊れてく。

豹の顔をみるなり抱きしめた。

豹はわけがわからず、「ど、どないしたんや?俺そんな趣味ちゃうで」と顔を赤くして小柄な体で抵抗した。

「今夜、決着をつける、あの男と」体を離して言った。

豹は目を見開いて「おい。単独行動はあかんで。奴の居場所わかったんか。」

「ああ」俺は黒いサングラスをかけて夜の街へと歩いて行った。

ポケットに拳銃を忍ばせてー。

凛も豹の部屋を訪れた。

「バーテンしてる店で雪乃さんを脅した連中の名前がわかった。桐谷の弟のコウという男が雪乃さんと関係をもった男で、アイジという奴がトシヤのいるクラブでホストしとった。そいつが雪乃さんをメールで脅した。

潤というキャバクラの常連の客の男が大金を雪乃さんから騙しとってた。

被害者は他にもおったわ。

もう一人いた。武雄のバックが桐生会やった。そいつはSMクラブでM男やった。

瞳から聞いた。」一気に凛が情報を豹に行った。

豹のサイン会になぜか伊勢谷がいた。

桐谷に会ったから怪しまれていたらしい。

「どうりで変なfanおるなとおもっとったんや、今夜は祭りやな、楓達を出し抜こうや。自殺した被害者の遺族からファンレターもらって顔も割り出した。

仇討ちや、fanの子の」と無表情で豹は言った。

その様子をあとから入ってきた瞳もだまってみてたので二人は驚いた。

「うち、そいつにたくさん蝋燭でやられた。許さへん」そっちか。

あとから知って俺は呆れた。

伊勢谷はSの性癖もあった。

俺はスカウト会社の社長室に退職願いを出しに行った。

伊勢谷は驚いて、怒鳴ったが俺は「すみません。」とお辞儀をしながら銃を出して銃口を奴に向けた。

「お前何してるんや」と伊勢谷が聞いたのでそのまま撃った。

銃声を聞いて、手下たちがきたときは数発目で伊勢谷が倒れて息絶えた時だった。

あおむけに倒れて額に穴が開いて血の海になっていた。

一斉に俺にむけて銃をむけて撃ってきたが、俺は素早くよけながら全員撃ち殺した。

捕まったら確実に死刑囚か終身刑

しかしムショ暮らしには慣れてたので怖いもんなしだった。

失うものは何もない。

これでミリコは桐生会に追われずにすむ。

凛も瞳もかけつけてきた。

なぜか豹に教えた面子が揃っていた。

楓の仕業だった。

俺と凛と瞳は桐谷達めがけて銃を向けたが桐谷が「まだ俺達の相手をするのは100年早い。俺には英霊が味方してくれてるんでね。」と空砲を撃ったら彼らの仲間達がきた。いつのまにかトシヤもきて、銃を向けて桐谷の手下と撃ち合い、ほとんど手下が死んだ。

豹は警察がこないか辺りをうかがった。

瞳も素早い動きで桐谷の手下を次々に刺して行った。

凛もアイジの手下を撃ち殺した。

夜の六本木の街中で俺は私情を挟みながら派手に凛達と共闘した。

そして、桐谷達5人と俺達4人がお互いに向き合って銃を向けた。

引き金を引こうとしたとき、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえた。

「ちっ。落とし前はそのうちつけるからな」と桐谷達は素早く走り去って行った。

俺達も逃げざるおえなかった。

まだ手下たちは数人いた。

豹も逃げた。

パトカーを呼んだのは、楓だった。

車から五十嵐刑事とかんなが降りてきて、桐生会の連中に手錠をかけた。

みり子のパパこと緒方があやかのキャバクラにきていて、「アゲハちゃん、なんか騒がしいね、今夜。なんかあったのかな。」とテーブルで太ももを触って聞いた。

あやかは「さぁ、ここも物騒ですからね。はい、煙草」とライターを差し出した。

みり子はアイジ目当ての常連客として「DIRTY」にきた。

「あれ?カイジくんは?」と塚本に聞いた。

「んー。なんか昨日でやめたよ。最近のゆとりはだめだね。根性なくて。新しい子紹介するからさ」と笑顔でグラスにシャンパンを注いだ。

「そんなぁ、せっかく本命と別れてまで遊びにきたのにぃ」と泣きそうになりながら一気にシャンパンを呑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

仕事を休むと