薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~サイドストーリー6・TATTOO~

水嶋智宏は今こそ「樋口智宏」という俳優でハリウッド進出を目指している売れっ子

アイドルだが昔は新宿2丁目で男性相手にウリをして数々の舞台オーディションを受けては落ちてばかりいた。

そんな時期に高校時代の如月薫の母純子が智宏のパトロンになり、

薫は母をつれもどすためにわざと智宏のマンションに泊まったりしにきた。

彼女は「親子どんぶりはやだー」と泣いていた。

腹違いの兄の友也が当時薫の彼氏で迎えにきた。

薫は家出をして一時期智宏のマンションに寝泊りしたり、友也と同棲したり、

ヨシキの族の集会にもでたりして滅茶苦茶だった。

薫の父親もキャバクラの若い20代の嬢と不倫をしてしまい、弟の秀哉まで、

冬子さんと付き合ってたクラスメイトの影響で一回り違う年上の洋服屋に勤めてる女性と付き合い、彼女のアパートに寝泊りするなど家庭崩壊寸前までいった。

そのことがきっかけで兄と初めて対面したときは兄は智宏のことはあまり気にしていなかったようだ。

智宏も音楽の趣味や女の趣味もまったく違うので薫のことはなんとも思ってないと言っ

たが純子には惹かれていた。

お互いに恋をしていた。

不倫なんかじゃない。純愛だった。

体の関係はあったけれど。

しかし、薫や兄の友也のことを思うと別れるしかなかった。

純子の家庭まで壊したくなかった。

彼女がピアニストじゃなかったら駆け落ちしてたかもしれない。

薫はそれで落ち着いて今度は茜の家に寝泊りした。

とにかくもう家には帰りたくなかったらしい。

父親キャバクラ嬢に振られて家庭に戻ってきた。

秀哉も洋服屋の彼女諭されて、自宅に戻ってきていた。

友也18、薫が17歳の頃だった。

よくそれで兄貴は写実家の専門学校へいけたと思う。

カメアシになってカメラマンになり、友也にもカメアシが着いた。

上原ナナという女性。

友也はヤクザの娘が雑誌の編集長をしている「TATTOO」専門誌のカメラマン担当になって上原と一緒に行動を共にしていた。

そのころに智宏はバイトをしながら映画やドラマのオーディションを受けてるときに

タトゥーを入れてる人達と知り合いになっていった。

友也達も取材で彼らのことを撮影しに行っていた。

時にはヤクザに絡まれて危険な目に遭った。

上原ナナとはそのころに出会い智宏は一目ぼれをした。

彼女は上原財閥の箱入り娘だったが見合い結婚が嫌で家出をして夢だったカメラマンになるためにカメアシをして友也や年上の女性カメラマンに色々とこき使われたり嫌がらせを受けたりしたが耐えた。

友也も同じ辛い目に遭ったが耐えて一人前になった。

友也は上原には厳しかったが手は出さなかった。

薫とすでに元サヤになってたからかもしれない。

ナナをヤクザ関係から救う為に一緒によく逃げたり智宏の店がTATOOをしたゲイの写真を友也が撮影の為に使ってたので自然とナナとは急接近した。

上原と智宏はなぜかお互いに同じ匂いを感じて自然に惹かれ合っていった。

智宏の目標は憧れの俳優、三上寛空(ひろあき)と共演することだった。

彼も新宿2丁目にいたという噂があったので真似をした。

そこでチャンスを掴んだからだ。

智宏の母親の名前は瑞絵(みずえ)と言って、中学時代は呼び捨てにしていた。

中学をでてすぐに2丁目に行ったが路頭に迷ってるときにある高校教師に拾われて

同棲した。

教師はゲイだった。

俳優になった頃バイト時代のことでスキャンダルにされたが逆にそれを売りにしたら

腐女子のファンがついてたくさんドラマや舞台や映画のオファーがきた。

写真集も兄の友也に撮ってもらった。

初めての兄弟の仕事だったが身内だからと逆に厳しかった。

編集長は女性で女性記者もたくさんいたので悪魔の本音がすごくてナナは記者同志の

修羅場もたくさんみてきたと言っていた。

ナナは友也に片想いをしていたらしい。

智宏に出会うまでは。

今は結婚して純也という一人息子ができて幸せだ。

殺し屋のレンとは4年前に出会った。

流石に怖かった。

日本の今流行りの俳優を知らないらしくウェイターと間違われた。

昼間からお酒を呑んでるようなおかしな奴だったが、

ウェイター兼スカウトマンということでカモフラージュして住み始めた。

店の奥にある部屋が彼の寝泊りする場所だった。

マスターとは古くからの知り合いらしい。

マスターは広東語が上手く話せたが過去のことは教えてくれなかった。

彼もゲイではなくバイだった。

店はレン達にヤクザ関連の銃撃戦で潰されてしまった。

今ではレン達のアジトになっている。

智宏は今でも時々、ここに台本の台詞の練習をしに泊まりにくるが、

蓮とは別の部屋で寝てる時は小声で台詞を読んだり覚えたりした。

いないことのほうが多かった。

去年からは六本木のマンションに蓮は移り住んでるがここにも寝泊りしにくることが

多々あった。

智宏は自分の親父の写真集の大ファンな蓮を慕っている。

時々蓮が不意に目の前から消えていなくなってしまいそうな気がして切なくなってきた。

ずっと彼のそばにいたかった。

 

 

 

 

 

灰色の街~時をかけるスナイパー2~

2012年に俺達が日本の首都、東京にきて初めにしたことは、アリサを含む6人でミーティングをして殺人の代行サイト「銀色の死神」を立ち上げることだった。

ターゲットには愛着を持たないことを条件に豹が一般人やその他大勢の日本人を依頼人にして大金を稼いで暮らすことだった。

俺は香港で中共政府に逆らって脱北者を助けて香港に逃がしていたので政治犯として

刑務所にいた。

5人が俺の為に香港警察に多額の賄賂をやって釈放された。

半年ぶりに吸う娑婆の空気は旨かった。

大陸とは一国2制度で内政干渉扱いされた。

50年は香港は中共とは別の国扱いだった。

海外に渡航するようにパスポートが必要だった。

俺は香港のパスポートも持ってるので全部で3冊のパスポートを持ってることになる。

12年は日本は大震災からまだ一年しか経っていなくて、被災地はまだ更地に近かった。

俺は四川大地震も知ってるので俺を引き取ってくれた俺の本名のシャオミン一家の親戚がいて心配だった。

日本でも同じ思いの人達がいたので心配だったろうと思うと胸が痛んだ。

しかし復興は四川よりも早くて驚いた。

神戸の震災時も香港にいたので子供ながらに故郷が心配だった。

離れ離れになった友人達や祖父母の無事を祈った。

彼らも俺の行方を捜しているかもしれなかった。

俺はあえて実の父親のフォーチュンという名前を名乗っていた。

母親の旧姓の安藤という名前も使った。

2012年の仕事で一番印象に残ってるのは、海外のスナイパースクールから脱走した元殺し屋で平凡で幸せな生活をロシアのモスクワで恋人と送っていたのに元仲間が

追いかけてきて捕まりそうになったので助けを求めてメールを送ってきた。

かなり深刻だった。

まるで十代の頃のアリサに生い立ちが似ていて、他人事ではなかった。

アリサとリンは俺を助ける為にまたスナイパーに戻っていた。

この借りはいつか必ず返すつもりだ。

そして、俺達6人はターニャ達ロシアンマフィアを頼ってモスクワまできた。

彼女らはあくまでもマフィアでスナイパーじゃない。

アリサはターニャの家にしばらく寝泊りすることになった。

俺はクッシーの家に、リンはチャドの家、瞳とトシヤはアンジェラの家、

豹はリョウの家に其々寝泊りした。

女性の名前はレベッカと名乗った。

本名は明かしてくれなかった。

レベッカは花屋を営んでいた。

ある日、スナイパースクールの教師とOBのスナイパー達が夜、花屋に襲撃しにきて恋人を人質にされた。

花屋の恋人はそれまで彼女の正体を知らなかったのでかなり怯えていた。

レベッカを取り返しにきた奴らは10人くらいいた。

レベッカと女性スナイパーが合気道で戦ってるところにOBの仲間も乗り込んできた。

クッシーら含むマフィア達も加勢して派手に戦っていた。

俺は車の窓から狙撃用の銃でスコープを見てから敵を狙い、確実に一人ずつ狙撃をしていった。

リン達も同じことをした。

瞳だけは花屋の家に乗り込んで、敵を相打ちになる形で刺していた。

アンジェラ達がやばくなった所に俺達は乗り込んで行って、

銃撃戦になった。

レベッカも銃を持って戦っていた。

俺達は一人残らずレベッカの元スクールのメンバーを殺すつもりだったが、

教官だけはレベッカを逃がすと約束して逃走した。

レベッカは死んだことにされた。

カナダのスナイパースクールだった。

それにしても戦いが終わった次の日にはポプラの綿毛が道路一面に散らばり、

外全体に飛んでて、花粉症になってしまった。

アンジェラとターニャはヴァイオリンと歌でロシア料理とウォッカを振る舞ってくれた。

クッシーは太鼓を叩いていた。

ステージのあるレストランだった。

ボルシチが旨かった。

冬が好きな俺はまた冬あたりにクッシーんちを訪ねようと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「灰色の街」~彼女と過ごした半年間~

章子は「大丈夫なの?今やってる仕事。私は彼女達が気の毒だと思うわ。」

と突然切り出した。

「今更、俺の片棒担いでるくせに何いうてんねん。しゃぁないやろ。あの子達が一人で家族全員を養う為なんやから。北の国では普通やで。それにこっち(香港)のほうが、

店の自給は倍稼げるし働いた分は全て彼女達の配分になる。」と章子の目をみて真面目に答えた。

次の日にまたレンタカーを借りてまた一人強制送還する奴一人を狙撃して、

逃走してきた。

章子のいうとうりだ。

あの娘達はその後どうなっただろう?

北の国の国境付近で出会った少女達を思い出した。

またアリサの勤めている台湾料理店で章子と一緒に食事をして引っ越したばかりの

ホテルの部屋に戻った。

未だにウェイトレス達は俺を不審な目でみる。

「あの常連さん、いつも二人分食べてるのに太るどころかどんどん痩せていってるわ。」とひそひそ声で俺達に聞こえないように話し合っていた。

明日はタキシード姿で来れば怪しまれないだろうか?などと俺は呑気に考えていた。

リンのいる「フェイ」にはあの夜以来行かなかった。

なんだか気まずくて顔を合わせずらかった。

リンとアリサはすっかり殺し屋から足を洗っていた。

俺と違って年季が入ってないからだろう。

たった4年間しか仕事をしていなかったからリンの場合は。

アリサはリンへの愛の為に堅気になった。

かつて俺も京子の為に足を洗おうとしたことがあった。

京子が今も生きてたらリンやアリサと同じように堅気になっていたかもしれない。

章子は俺が無事に任務を遂行したのでホッとしたと言った。

俺と章子は京子と死別したという同じ痛みを抱えていたのでその後ベッドの中のシーツにくるまって寂しさを共有しあいお互いに抱き合いながら慰めあった。

久しぶりに他人の体温を感じた。

こんな安らぎは約半年と2ヶ月ぶりだ。

章子は顔や膝黒の髪の長さだけでなく体型や胸や身長まで全てのパーツや声まで京子に

顔がそっくりだった。

双子だから似すぎているんだろうと思った。

再び恋をした。

彼女に京子を重ねていただけかもしれない。

章子も「ずっとあなたを好きだった」といってくれた。

でもまだ京子を忘れられない後ろめたさもある。

正直に章子に京子への想いを打ち明け、章子の気持ちにはまだ答えられないと言ってから、あの夜以来、章子とは関係をもたないようにしていた。

章子と出会って以来、時々京子が夢に現れて正面から抱きついてきた。

俺が彼女を抱きしめた所でいつも目が覚める。

そのときはいつも肌寒かった。

横にいる章子になぜか愛しさを感じた。

章子と出会って約2ヶ月になる。

もう2月で香港のチャイナタウンでは毎年旧正月の行事をやっていた。

あちこちで爆竹を子供達が鳴らして遊んでいた。

俺も神戸の中華街でガキの頃よく遊んだから懐かしくて涙が出そうになった。

殺し屋の癖に情けない。

 

 

 

 

 

 

「灰色の街」~彼女と過ごした6/12ヶ月間~

また5年前の香港に記憶が遡った。

「よ!新妻。」とアリサをからかった。

会うたびにアリサは照れて「やめてよ、そんなんじゃないわ。」と睨んで怒られた。

「でもいずれはそうなるんやろ?」と言った。

「先のことは誰にもわからないわ。」とアリサ。

確かにアリサ達は元殺し屋で俺は今も現役を続けてるから明日の命すら保障できない。

本気で惚れ込んだ相手の幸せを思うなら引退するしかないだろう。

章子は俺を狙撃場面でよく助けてくれた。

いい相棒だ。

見張り役を買ってでた。

流石、元マフィアの女。

弾や銃を調達してくれるロシアンマフィアのクッシーとチャドが香港にも来た。

アンジェラにも会うことができた。

4人で「ドラゴン・アイ」というレストランで中華料理と酒をたらふく食べて呑んで

心地良い気分でホテルに戻った。

俺は部屋に戻り、章子に息子のレインの写真をみせた。

「可愛いだろ」「別に」と章子は拗ねた。

あれ?妬いてる?気のせいかな。

 

「灰色の街」~時をかけるスナイパー~

2013年、豹は今度は狙撃場所を遊園地のDSランドに指定した。

渋谷のセンター街で10代の若者相手に麻薬を売ってるスカウトマンと密売人がいる。

平日に遊園地でブツの交換して金を貰う予定という情報を掴んだ。

奴等は白昼堂々とやるのだからこちらは二人の帰りを尾行して狙撃するしかない。

俺達のサイト「ー銀色の死神-」というサイトにヤクザの娘が渋谷で麻薬を買い、

クスリに溺れてしまったので密売人と繋がりのある組織を殺せという依頼があった。

しかも娘はそのスカウトマンに弄ばれて捨てられて病み気味だという。

娘だけは堅気にすると誓ってたので男達を許せないとメールがきた。

娘は現在は不登校

この件は俺と瞳が担当した。

見張り役には俺にリンが、瞳にはトシヤがそれぞれついた。

俺は遊園地が嫌いなので今回は憂鬱だが仕方ない。

昼間はリンと瞳とトシヤがはしゃいで子供みたいに遊んでいた。

豹と俺はその間、観覧車に乗って二人で望遠鏡のレンズ越しに標的を探して二人の男の麻薬取引の現場を押さえた。

豹は彼らの様子を眺めた後、ハメ撮りをした。

とにかく遊園地は人が多過ぎる。

早く帰りたい気分だったがランチは5人で仲良く食べてきた。

リンはアリサときたかったようでまた来ようと呟いていた。

俺はもう女はこりごりだ。

このあと遊園地を満喫した瞳とトシヤ、リンと俺で二手に分かれて夜のDSランドに

昼間の標的二人を携帯で見たと豹が撮った写真をみせて脅して標的が現れるのを待った。

その間、俺は昼間の家族連れを思い出して胸が痛んだ。

シーコースとジェットコースターに無理やりリンに乗せられて怖かったけど楽しめた。

そんなことを思ってると奴等が大きなバッグをもってやってきた。

俺等がそのバッグの中身を確かめるリンを横目にみてからその場でスカウトマンを

狙撃した。

リンは脈を手首と首を手で触って奴の死を確かめた。

バッグの中身はただの紙切れだった。

瞳もヤクザの首を切って即死させ、トシヤは切り傷をみて脈を手で触って死を確かめた。

4人とも別々にタクシーを拾い、何事もなかったかのように家路に着いた。

早朝、二人の死体が発見された。

 

 

 

灰色の街~彼女と過ごした180日間~

帰りに京子に瓜二つの女性に出会い混乱した。

「京子!と思わず名前を呼んだ。

彼女は笑みを優しく浮かべて「私は章子(しょうこ)よ。京子とは双子の姉。

よく電話や携帯メールで貴方のこと聞いたわ。双子のせいか男性の好みまで似てるみたいね。」と言って俺に抱きついてきた。

俺は彼女を受け入れ、最近長く滞在しているホテルに一緒に入って泊めることになってしまった。

その後、章子と一緒に「フェイ」という名前のBARに入って二人でカウンターに座った。

ウェイターの顔を見たらリンだったのでお互いに驚いた。

「お前、ここで何してるんや」と俺は問いただした。

リンも「お前こそ久しぶりにやな。ずっと気になってたんや。とうしてたか。」と目を丸くして逆に質問攻めにあった。

俺たち二人はお互いにここ一年の近況を語り合った。

瞳達がどうしてるか彼も知らなかった。

リンはなぜか俺の隣にいる章子のことを誰なのか聞かなかった。

俺も出会ったばかりの女性だったので気恥ずかしくて紹介するほどまだ親しくなかったのであえて何も答えなかった。

章子は何も注文せずに黙ってうつむいてきながら俺たちの話を静かに聞いていた。

「そうか。色々と大変やったな。お前も。俺も色々あったしな。せやけど少女売春斡旋は不味いやろ。犯罪や。それにあの娘らが可哀相やと思わへんの?」とまたリンは偽善者ぶって綺麗事を言って俺を責めた。

こいつは昔からそうだ。

いつも偽善者ぶる。

自分もカタギじゃなかっくせに。

俺は「せやけど俺はあくまでも強制送還する奴を狙撃するだけやで。あとは俺のボスの仲間が店を彼女らに紹介するだけや。俺は狙撃以外のことはせえへんから関係あらへん。生活費の為や。」とリンを見据えて言った。

リンはあきらめたようにため息をついた。

「ほな、勝手にせい。俺はただ、お前のことも心配なだけやからいうただけや」

と、ガラにもないことを言われた。

「俺は一度死にかけたから怖いもんは何もあらへん。アリサによろしく。ほな、さいなら」と一言だけ告げて「フェイ」を出た。

アリサの勤めている高級台湾料理店に行ったが彼女は非番らしく見かけなかった。

俺は章子と二人で食事した。

「ここの料理えらい旨いな」と章子に話しかけた。

章子も食べておいしそうにうなずいた。

ウェイトレス達は楽しそうに会話してる俺達をみておびえているようだった。

やはりカタギじゃないのバレたかな。

会計を二人分支払い、店を出た。

ウェイトレス達は「あのお客さん、独り言をいいながら食べてたわ。」「意外と大食いなのね」とひそひそ声で話していた。

 

 

 

 

 

灰色の街~彼女と過ごした121時間~

http://ravianrosex.hatenadiary.com/entry/2016/09/09/125501

(「シンガポールに来た招かれざる客」の続き)

香港に再び戻ってきて約一年が過ぎた。

立花が去った後、2011年になろうとしていた。

俺のことがなんと日本の正月スペシャル番組で全国放送で

元FBIの人間とリモートビューイングと霊視ができるサイキックがゲスト出演したので未解決事件の特集が組まれたとインターネットの動画サイトであとで知り辟易した。

俺のことが30年前の神戸の華僑のチャイナタウンで起きた、

やくざと香港マフィアの抗争に巻き込まれた一家殺害事件として

ていた。

当時は一人生き残った少年蓮(れん)君が神隠しに遭うと東京スポーツ新聞を始めとした全国の新聞に載っていたらしい。

警察が俺の死体と生存確認の為に捜査したらしいが当然国内で見つからず、未解決事件としてお蔵入りになりファイルされていた。

彼らの霊視や調査はTVだけあって全く的外れな捜査や発言で俺にはいかにも胡散臭い内容にしか感じなかった。

だが、何者かに連れ去られ、今でも生きているとだけは当たっていた。

俺が助けを求めてるという声をサイキックは聞いたらしいがそんなことを言った覚えはない。

殺し屋をしている以上はなんども死にかけたが。

(このおっさん割りと誰でも思いつきそうなことばかりいうてはるわ。まぁ一応視聴者は面白がるやろな)

少し不愉快な気分になってハイボールを煽った。

サイトのコメント欄には信じる派と信じない派と真っ二つに分かれていて興味深かった。

別に助けてほしいとも見つけてほしいとも思わない。

あの行方不明の少年が今は殺し屋になってるなんて誰が想像するだろう。

事実は小説よりも奇なり、だ。

俺はまた別の組織の香港マフィアに雇われた。

このボスは少し変わり者で北の国から中国に逃げてきた美少女

を売春宿に送る為に北の国に強制送還させようとする大陸の人間を全員殺すか、他のマフィア達も狙ってるだろうからそいつらも殺れと命令された。

お金は大金で400万ドル報酬としてやるといわれた。

俺は俄然やる気になった。

彼女達は食べ物と衣類と生活費がでるといえばついてくるだろう。

その仕事は俺じゃなくそのマフィア達の仕事になってるから

俺は強制送還する奴を狙撃するだけでいい。

トシヤと瞳も今年からリン達を探して香港に来て瞳はスナイパー、トシヤは見張り役と瞳に報復行為をしようとする奴に

インク入りの万年筆や鉛筆で刺して追い返していた。

トシヤはいつのまにか女装が趣味になっていて仕事のときに活用した。

再会した時はよく似合っていて爆笑した。

どこのマフィアに雇われてたのか知らず、

中々会う機会がなかった。

俺は初仕事で北の国と中国の国境に行き、強制送還する奴を

一人狙撃した。