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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

小説「灰色の街~6番目の痛み~」

「夕方8時ジェシカという店に集合な」

「夕方ちゃうやろ。それになんでゲイバーなのに女の名前なんだ」

と突っ込んだが西村は笑いながら「それは店長に聞け。俺がつけたんちゃう。まぁお前は遅刻したことないから大丈夫やろうけど。」「そこ瞳が働いてる店やろ。」「まぁな、おごってもらえるし。ほな」ガチャとスマホは切れた。「もう行くの?まだ時間あるから二人でどっか行こうよ」あやかに誘われた。「いや、今日は一人になりたい気分なんだ。」黒いコートを羽織ったときに落ちた懐かしい女性の写真を眺めながら断った。「あなたにとって私はなんなの?」振り向くとあやかは真顔だった。

俺は言葉に詰まった。「んー、愛してるよー?」とおどけて言ったら「馬鹿!」と枕が飛んできたが器用によけた。「京子って誰?」と問い詰められた。「・・・お前の知らない女」「そう」あやかはそれ以上なにも聞かなかった。俺は乱暴にドアを閉めた。

なんだか地雷を踏まれた気がして鬱になった。また辛い記憶がよみがえる。

最近は特にそうだ。もうすぐ俺は死ぬのかな。死期が近づくとよく昔を思い出と知り合いから聞いたからだ。ナナは俺が支持どうりに殺したヘアメイクの男性、男性マネージャー、最近よく相談していた元高校の同級生のことでショックを受けて滝川に慰められていた。しらじらしい奴め。俺はもう彼女達に会うことはないだろう。滝川も感謝のメールを俺達に送ってたのにまだ何か用があるのか。

この先二人はうまくいくとは思えなかった。ナナだけでなく高美やドラムのリサ、ベースの薫、下手ギターの蘭たちまで慰め、動揺していた。しばらく活動休止になった。

といっても一か月だが。高美はこのご時世にパリに滞在すると自身のブログに書いてあった。事務所の社長も青くなっていた。俺達は今夜、「HONEY-X」の事務所とつながりの深い暴力団と対立している某組長にそのヤクザ達をつぶすような依頼を受けていて、その計画を練るのだ。大規模な銃撃戦になりそうだ。この件が終わったらあの

ギャルバンとは関わらないようにしようと決めた。

また大金が俺達に流れ込んでくる。滝川はもう用はないはずなのだが、まだ足りないのだろうか。しつこい。もう彼女に近づく奴はみんな消したはずなんだが。

西村も相手にしなきゃいいのにと心の中で毒づいた。

しかし、何気にコンビニに寄って新聞を買ったら、

滝川が指揮するオーケストラの公演予定のベルギーの劇場がテロリストによって爆破された事件が大々的に報じられていた。もしかしたらそのことと関係あるのだろうか。滝川の今後のスケジュールをネットで調べてみたら今度は東京公演日程が載っていた。

ブリュッセルの公演は中止になっていた。明らかにおびえてる様子だったらしい。

電話の様子では。

因果応報。俺はひとりごとをつぶやいた。そして京子のことも俺が殺したようなものだと胸がつぶれそうになった。