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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

2

次の日から毎日のように薫たちは俺達の行きつけの店にきては隣にすわり、色々聞いてきたり、酔った勢いで男性遍歴まで語るので外見に似合わず意外にモテたので少し驚いた。美術教師との不倫がバレて教師は他の学校 に転勤を余儀なくされたり、女たらしのバンドマンの高校生とつきあって浮気に泣かされてもう男に懲りたとかいいながら、

俺に近づいてきたのだからこいつはただもんじゃないなと薫をみて思った。

俺は仕事が忙しく、女とは一週間もご無沙汰だったのでさすがに今夜はほしくなった。

彼女の話はとりとめもなく、しかも飽きなかった。

俺は聞き役に徹していた。いい暇つぶしができたと思った。

一応、仕事はストリップバーのポン引きと護衛にしておいた。

実際、ディーンの趣味はストリッパーを観ることなのでつき合わされた。

実際ダンサーと付き合っている。

俺は一応独り身。

薫は千秋たちに俺に会いに行くことを反対されていたが、原とかいう男を連れて遊びにきていた。「あいつ、お前のSPなの?」と彼を観て聞いた。

「一応ね、でもあなたのほうが信頼できる」と俺を見て言った。

俺は呆れた。「あれ、ここにいたの?」とグラマラスな女スパイをやってる友達の神崎マヤが俺のところにきた。「久しぶり。」とキスをされた。

薫は絶句していた。「こちらは彼女?」と薫をみて意味ありげに微笑んで聞かれた。

「いや、ただの飲み友達」といったら彼女は余計に傷ついた表情をしていた。

「あなたは?」と薫は聞いた。「私は彼とは付き合い長いの」といたずらっぽく言った。「ここ私が働いてる店だからいつでもきて」とコンビニの名刺を渡した。

「入りません!」と言って彼女は帰ってしまった。慌ててタクヤ達は薫を追いかけた。

俺のほうが追いかけて弁解したいくらいだ。

「いいの?帰っちゃったわよ、彼女」「別に。まだ寝てへんし」俺は平静を装った。

ディーンは事のなりゆきを面白がっていていたが「お前彼氏いるだろ、一発本が売れた詩人。」とたしなめた。「いいのよ、彼は根つめて今部屋にこもってるし」。

俺は「あいつもお前の正体知らないんだろ。これからどうする気。本気なのか」と一応気にかけた。「本気じゃないわ。日本人の彼氏がいたほうが怪しまれないから。バレないし割り切ってるつもり」と謎めいた微笑をみせた。実際彼女はコンビニでバイトしながら情報を仕入れて俺達に色々教えてくれる。もちろんタダじゃないが。

頼もしい味方ができた。俺はほくそ笑んだ。今のところは裏切ることはないだろう。

情報料もトニーさんが支払っている。香港にいた頃もこんな女がいた。

俺も売春婦のところに行っては近所の情報を聞き出したりしたことがある。

彼女はブラック企業の社長に取り入って寝ては秘密を聞き出したりしていた。

護身用の銃をいつも持ち歩いていた。しかし薫のことを考えたら心がざわついた。

今まで一度もメールや電話をしたこともないし教えてない。

マヤは恋人の新しく出た詩集を俺達にくれた。「俺本読ねぇから」と突っ返したが、「写真集はみるのに?せっかく貴方達の分も買ったんだから読んでよ。面白いわよ」と無理やり渡して椅子に座り、ジントニックを頼んだ。

タイトルは日本語の漢字なので読みづらかったが詩人の名前には「西村 豹」と書いてあった。「これ本名?」とマヤに聞いたら「そうらしいわね」とジントニックをすすりながら答えた。顔写真をみた。俺ほどじゃないがいい顔してると思った。

今夜は仕事があるので早めにカフェをでた。(彼氏の本名くらい覚えろよ)と奴を気の毒に思ったが彼もマヤを利用してるだけかもしれないしギブアンドティクな関係かもと色々想像してみた。

今夜の標的はなんとイタリアマフィアから逃れてはるばるロスまで逃げてきた男だった。俺はどんな思いで男がここにきたかと思うと身につまされる思いだったが相手に情をうつすようなことはあってはならない。馬鹿をみるだけだとトニーさんに念を押された。そして、相手と銃撃戦をし、死んだのを確かめてから路地裏に止めてあったバイクに乗って逃げた。狭い路地を走れるので便利だった。

ディーンのアパートの駐車場にバイクを置いてから近くのホテルのバーでラム酒を一杯ひっかけてから部屋にチェックインし、ベッドに倒れるようにうつぶせになった。

急に薫の声が聞きたくなり電話をした。朝方だった。

携帯から甘ったるい声がした。「え、嬉しい。まさかかけてきてくれるなんて思わなかった。」俺は「・・・暇だったから」と聞いた。「そう」

「お前抜けてるとこない?」と俺。「え?」「普通俺の番号も聞かない?」

「あ、そうだった。じゃぁ今教えて」と薫は聞いてきた。俺は「教えない」とわざと意地悪をした。薫は「あの女性がいるから?」と聞いてきた。「あいつ彼氏いるから」「え、そうなの?」と安堵した声が聞こえた。「じゃなんで教えてくれないの?」と聞かれた。「今の番号登録すればいいだろ」とぶっきらぼうに言った。「メアド教えて」といわれて「気が向いたら、じゃ」と切ってしまった。俺はため息をついた。

女と寝るよりはるかに心が落ち着いた。