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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街

アリサは明日の便でこっちに来るそうだ。

それまで時間があるので、瞳の歓迎会もかねて4人で呑みに行くことになった。

「ジェフ。こいつが逃げないように、ようみはっとけ」と、トニーは子分に命令をして

凛をホテルの一室に足で蹴って押し込み、手に手錠をかけてベッドに縛り付けながらいった。

中国と白人のハーフの彼は「わかった」と言ってリンを足で蹴った。

トニーはドアに鍵をかけてから閉めてでていった。

糞。リンはいらだった。恐怖もある。

とにかく逃げて自首しよう。

ガチャガチャと手錠を外そうとしばらく格闘したが無駄な努力だった。

しばらくうなだれた。

俺達は「QEEN」という店に入った。

乾杯した。

「あれ、マヤはこないの」とディーンは残念そうに聞いた。

俺はたぶん西村豹のところにいるんだろうと推測し「男んとこだろ。ほっとけあんなビッチ」と言って久しぶりに中国のお酒を一気に飲み干した。

「実はベガスから戻ってきてから連絡がとれてないんだよ。やっぱ女は仕事よりも男をとるのか」と彼にいわれて「いや、マヤはそんな女じゃないと思うけど男が呼んだんだろ」と笑いをこらえていった。

「マヤって誰?」と瞳に聞かれたので「今度紹介するよ。てか何もお洒落することないのに。ここストレートしかこないぞ」と瞳のドレス姿をみてからかった。

瞳は聞こえないふりをして「ロスのお酒、美味しい」と一人だけ赤ワインを頼んで

グラスを揺らして呑んでいた。「アリサがくるんじゃお前の仕事はわかってるよな。

ダイと組め。」トニーにいわれて「かしこまりました」と上品に会釈した。

瞳は俺が仕込んだ一人前のスナイパーだ。

ひょんなところで、出会い「私を連れてって」といわれて最初は訝った。

彼、いや彼女は幼馴染みと一緒に香港の孤児院を脱走中にマフィアに不幸にも目の前で愛する男が撃たれて死んだ。

たまたま俺が居合わせて、その男を殺した相手を撃った。

相手は即死。

瞳は涙を流して男を抱いていたが俺が去ろうとしたときに呼び止められた。

「待って!・・・殺し方教えて。」俺は「やめとけ」といって出て行こうとしたが

瞳は銃で自殺しようとしていたので慌てて止めた。

とりあえず俺の部屋に止めたが数日間しばらく外にでなかった。

無口で何もしゃべらなかった。

困りはてた俺は兄貴的存在に相談したら教えてやれといわれた。

そのとうりにした。銃の撃ち方と小型ナイフの使い方。

瞳は両方覚えたが、殺しの手口は小型ナイフを太ももにかくして使うことを好んだ。

ダーツバーも得意だった。

香港にいた頃はよく二人でダーツバーで朝まで遊んだ。

妹、いや弟的な存在だ。

年下のゲイにモテた。

いつも連れと一緒にいた。

深夜2時に店がしまり、念のためホテルの部屋に行ってリンがいるのをたしかめてから

見張りをもうひとりの子分に交代させて、隣の部屋を借りて寝た。

逃げようとしたら容赦なく撃つ。

半分夢うつつだった。

ガタっと隣から音がした。

急いで目を覚まして廊下にでたら、リンがドアから走って逃げるところだった。

どうやって手錠を外したんだ。

俺は驚いたが銃を彼に向けて「観念しろ」と脅したらいつのまにか銃をもっていて、

こちらに向けていた。

撃ってきたのでこちらも撃ってリンの手から銃が飛んで落ちた。

「おとなしく俺らと仕事しろ」と命令口調で言ったが彼に頭突きをくらい、

不意打ちにあった俺は倒れた。が、すぐに起きて奴を追いかけて背中を狙った。

「やめなさい。」背後からマヤの声がした。

「何いってるんだ。奴は人質だ」ふりむいたら奴は逃げてしまった。

「逃がしたじゃないか」俺はいらだった。

「彼が捕まったらニュースになるし、すぐにわかるわ」

「だからそれがヤバイだろ」俺はマヤが何を考えてるのかわからずに

怒鳴った。

「高跳びする金ならいくらでも用意してあげる」

俺は「もういい。見つけ次第殺す」とだけ言い残して探しに外に出た。

あいつはどこにもいなかった。

「あら、逃がしちゃったの。あなたらしくもない」

次の日アジトにきていたアリサにため息をついて呆れられた。

「彼なら大丈夫よ。今頃どっかでのたれ死んでるわ。お金も底をついてるだろうし。」

瞳は慰めるように言った。

「あいつどうやって手錠をはずしたんだ。しかも子分は気絶してたし。急所を蹴られて」俺は奴がただのチンピラにしては頭がいいと感心した。

マヤは「彼の顔に見覚えない?日本では名のしれたロックバンドのギタリストのリーダーよ。去年解散したけど。」と彼の資料を見せられた。

俺は乱暴にコピーを受け取って読んだ。

「へぇ、ドーリス・・・Dのつくバンドか。俺のよく聞いてるバンドと人気を二分したバンドに影響うけてプロになったってわけか。ふっ。いったいどこで転落したんだか」とタバコをすいつつ、独り言のようにつぶやいた。

マヤに「それが海外ツアー中にギャンブルにハマって事務所が破産して解散。集金ツアーもことごとく失敗」と教えてもらい「ついてないねぇ、おまけに人まで殺しちゃって。」とわざと気の毒そうに言った。「あんたがあの場所にいなかったら今頃天国にいってたでしょうね」とマヤ。「俺が命の恩人ってわけか。意外と恩知らずな奴だな。」とリンを思い浮かべた。

どうせその辺をうろついてるか、どっかのマフィアにつかまって手下になってるだろう。そのときに捕まえればいい。

案の情、リンは今度はロイの仲間に捕まって殴ったり蹴られたりしていた。