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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街 

俺はリンになにかわかったか尋ねた。

「これ、やばいで。安眠効果で不眠、悪夢対策と潜在意識に訴えるサブリミナル効果と宣伝あるけど、聴いてみ。ヒーリング音楽とも違うオルゴールの子守歌や」俺は試しにそのCDを聴いてみた。少し眠くなってきた。「寝たらあかんて!」リンに肩をゆさぶられてはっと目が覚めた。

「これみてみ。」PCの画面には嘘発見器のような棒グラフ。

「なんこれ?レム催眠か。」画面を疑視していった。

「この曲の中にサブリミナルメッセージが入っとる。」と女性と男性の声が入ったCDを聴かされた。「・・・なんなん?これ。アーメンとか、アッラーとか貴方は神に選ばれた?わけわからへん。」と俺は混乱した。はっきりと聴きとれたのは「アッラーに従わぬ者は自殺しろ。従う者は昇天しろ。」だった。「これは、どっちにしろ死ねって

ことやないけ。」俺はぞっとした。

「ま、ムスリムは男は天国いけばハーレムでうはうは状態らしいしね。」

雑学王のディーンは口を挟んだ。

瞳は「これは、ちょっとした社会現象になってる。自殺する若者が増えて発売禁止になってからは闇ルートで手に入るようになってる。ちょっとした手のこんだ信者獲得のための洗脳CDね。」と説明した。

「洗脳?」俺は息を飲んだ。

「つまり、このCDを聴くと教祖様のために別のCDを10万以上もするのに買ってしまう。その発売元が、あるカルト団体のレコード会社。そこで選民思想を植え付けられてしまって出家してしまう。みて、CDのクレジットに団体名と住所が書かれてある。

たぶん、そこが修行の場所に違いないわ。」アリサの説明を聞きながら読む限りかなり山奥にあるらしかった。ネットでしか通販されてなかった。

「じゃ、それ買って聴いて調べてくれ」とリンに頼んだ。

リンは俺のほうに振り向き、「お前が買えや。自腹切るのは嫌や」とあっさり拒否された。俺はむかついた。

バサっとPCのある机のほうに札束がおかれた。

トニーさんだった。「俺が払うから買え。」リンはさっそくネットで申し込んだ。

「俺今夜はもう寝る。」と帰ろうとしたがトニーに「おい、ちゃんと仕事しろ。あと原タクヤの映ってる写真一枚よこせ」といわれて「何に使うんですか」「あいつ、薫のダチだろ。気に入ったから呼べ。」とトニーは煙草を吸いながら命令した。

「仲間になるのか。話は聞いたよ。俺も気に入った。」と写真をみてるうちに良いアイディアだと思い笑みを浮かべた。

「おい、あいつ美大生だぜ、まだ卒業もしてない」とリンが止めようとした。

「それがどうした。あいつはただのジャンキーだろ。」と俺は何でとめるのか理解できずに聞き返した。「画家の卵だろ。夢をつぶす権利はお前たちにない」とリンは怒りを込めていった。

俺は無視して奴の携帯番号を押した「もしもし、原?俺。いい薬が手に入ったから直接こいよ。場所はXxXXだ。」と言って切った。

「さてとお手並み拝見」と楽しみにしてたらリンに「お前は自分の女だけ助かればそれでいいのか」といわれ「なんだと?」と聞き返した。怒りがこみ上げた。

「お前は本気で夢を追いかけたことないだろ」リンは更に痛いとこを突いてくる。

「ああ、違うな、お前は女からも逃げたんだっけ。本気で愛したことないんだな。

自分可愛さに捨てたんだよな」リンはやけに絡んでくる。「本当の友達もいないだろ」俺はその瞬間、リンをなぐっていた。リンも「よくも殴ったな」と殴り返してきた。「ええ度胸しとるやんけ」とまたリンの頬を拳で殴り、しばらく喧嘩をした。

そのとき、瞳が大きな音で拳で店のカウンターを強くたたき、「やめてよ。お酒がまずくなる」という声とアリサが俺達の間に入って「やめて」と叫んだのと同時に俺達は喧嘩をやめた。瞳の態度には迫力があった。

ディーンは(さすが、ヤン、男前。)とびびった。

部屋に俺とリンは入り、瞳に怪我の手当てをしてもらった。

「いててて、もうちょっと優しくしろよ、」と俺は顔をしかめていった。

「なんでアリサちゃんが手当てしてくれないんだよ」とリンも痛そうにして文句を言った。「俺も、アリサがいい」瞳は絆創膏を二人に貼りながら「贅沢いわない。二人とも仲いいね。」と笑顔で言った。「よくない」とリンと声を揃えていった。

俺はなんだかバカバカしくなりリンと二人で笑った。

ディーンは「ダイがあんなに怒って熱くなったの、初めてみたよ。」と驚いていた。

アリサも「そうね、最近元気がなかったしね。初めて会ったときはお互いに私と撃ち合いしたけど、顔色ひとつ変えなかったわ。」と面白そうに相槌をうった。

トニーは「あいつら、いいコンビになりそうだな」とふっと笑顔をみせた。

「とりあえず、あいつの意志は尊重するから」と俺は適当に言っておいた。

ついでにタクヤに頼んでカメラの中のネガも取り返そう。

もう必要ないのだけれど。

タクヤがきた。

トニーはさっそく「おい、うちの店のグラスを弁償しろ。」といきなり彼の胸ぐらをつかんですごんだ。

「ご、ごめんなさい。あのときの記憶がとんでて覚えてないし、すぐにバイトして弁償するから」と、顔を右手てかばって謝った。

トニーは乱暴にタクヤを離した。

タクヤは床に座り込んだ。

「お前、どこで銃の扱い方を覚えた?」とトニーは聞いた。

徴兵制」とタクヤはおびえたように答えた。

俺達は全員「徴兵制?」と声をそろえて聞き返した。

「俺、日系韓国人だったから。今は帰化して国籍は日本になったけど。」

「なるほど」とトニーはいい、ディーンは薬の粉をみせて誘惑した。

「これをやるから、この人物を殺ってきて」。

タクヤは当然断った。

「あ、そう、それじゃぁあげない」と意地悪く言った。

タクヤは禁断症状が出始めた。

リンは「怖えー」とひとりつぶやいていた。

「わかったよ、頼むから早くよこせよ。殺ればいいんだろ」と手を伸ばした。

「はい。」とディーンは鉄砲と粉と写真をタクヤに渡した。

タクヤは急いで、カクテルに粉を混ぜて、一気に飲み干した。

ため息をついて帰ろうとした。

「おっと、まだ用は終わってないよ?約束は守ってもらわないと」

タクヤは座った目でディーンをにらみつけ、「俺は臆病者じゃない」といい、

外にいた写真の人物を一発で首を撃って殺した。

俺は黙って一部始終を見つめていた。

リンは目をそむけていた。

トニーは「合格」と言った。

「何が?」とわけがわからないというふうに質問するタクヤ。

「スナイパーの世界へようこそ」とアリサ。

「それって殺し屋?よくわからないけど、かっこいい」タクヤは感嘆した。

「じゃぁ絵はやめるよね」とディーン。

「それは嫌だ」とタクヤは拒否した。