薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~シンガポール編・再会~

LAのカルト事件で連れ帰ったトニーさんの元恋人を俺達は教会の牧師が

カルトカウンセラーだったので彼に任せて洗脳を解いてもらった。

そして身柄は警察に保護されて無事に家族に会えた。

しかし、スナイパーであったためにトニーさんとは一度だけ再会して結局

家族と暮らすことになりそれきり会っていないそうだ。

このことはシンガポールで最後の夜を迎えたときに思い出したことだ。

シンガポールでは日本のV系とかいう俺の好きな「Lotus」の影響を持った

ロックをよく聴いていた。

幼い頃の両親が話していた日本語が聴けたから。

リンの先輩にあたる、「DRAIN AWAY」にハマっていたのもこのころだった。

動画サイトにも意見や感想が書かれていてボーカリストの自虐シーンと、

「なぜ栗返される」というフレーズが頭から離れない。

なぜ栗なのか!?

欧州にもマロンがあるとでも?

それは完全に空耳だった。

歌詞カードを見て誰にもいわなくてよかったと心からホっとした。

京也の書く詞は今愛読している西村豹の詩集とシンクロしていた。

ファンの意見には人間は残虐な生き物だと書かれてもいた。

なんだ、性悪説か、と鼻じらんだ。

もっともこの世界ではBTKのようなスナイパーも存在した。

依頼主をわざわざ探す馬鹿もいた。

そいつはお金の為とうそぶいた。

一番怖いのは人間かもしれないと俺はそう思った。

俺も敵を撃ち殺したときは達成感を味わい、依頼主に感謝されること

が悦びに変わっていた。

「痛み」かー。

日本語の痛みには心の痛みと体の痛みと二つの意味をひとつの単語にしてるので英語と違ってややこしいと思った。

記憶喪失なので、日本語もほとんど忘れてしまっていた。

俺はメイの見張りだけじゃ満足できずにスナイパーとしての仕事を黙々とこなしていた。

麻薬密売人を次々に射殺していった。

毎日はさすがに無理だった。

それなのになぜあの戦場の写真集を好むのか自分でも理解できない。

そしてあのドレイン~というバンドのギタリストのリクにも嫉妬した。

彼も滝沢みちろうと「Lotus」が大好きで彼と同じ音を弾いていた。手癖も似ていた。

本来ならあのポジションには俺がいたはずなのにと勝手に思うこともあった。

このころはまたギターを買い、メロディーをつまびいていた。

何か思い出せると思った。

ある日、俺はメイを連れ出して海へでかけて行った。

まだ夏には程遠く、5月の潮風が二人を包み込んだ。

メイは面白い子で未来へとタイムスリップを以前はよくしていてそこで本当の仲間の絆とドレイン~の曲も聴いてきたと言った。

感想を聞いたら人間とかすべてのものが儚いと京也は歌ってたそうだ。

今の彼からは想像もつかない。

メイは性善説のほうが好きだと言った。

人間はどんな人でも優しい一面があると。

京也の詞も西村豹の詩集も俺には難解だとたまに思うこともあった。

その時一人の黒レースチャイナドレスを着たセクシーな女性が遠くから俺を狙って銃口をむけてるのがわかって二人で逃げた。

そいつが俺を撃とうとした瞬間、別の見覚えのある黒いポニーテールと皮手袋して

Tシャツに黒いジーンズの短パンを履いた女性が黒いチャイナドレスの手を狙い銃を手から撃ち落とした。

俺は助かった。

お礼を言いたい気分だったがあの女性二人は互いに銃撃戦をやっていて

幸い浜辺にはメイと俺しかいなかったのであまり騒ぎにはならなかった。

あの助けてくれた女性になぜかなつかしさと愛しさを感じた。

どこかで会ったことがある。

その短パンの女性に「レン!」と手を引っ張られ振り向いたら「本当に何も覚えてないの?私よ。アリサ。」といわれたが「誰だ?てめぇ。まぁ、借りは必ず返す。今日は助かった。サンキュー」とだけいい、とにかくメイと逃げた。

メイは「あのお姉さん、メイと同じ髪型をしてたね」と笑顔で言った。

もしアリサが指輪をみせてくれていたら記憶を取り戻したかもしれなかった。

アリサは自分の顔も覚えてない俺にショックを受けていたようだった。

彼女はリン達に自分ひとりだけで俺をLAにつれもどすつもりでいた。

ここまできたら荒療治しかないー。

アリサは焦っていた。

黒レースのチャイナドレスを着た女性はこの国の香港マフィアのスナイパーだった。

ロイに頼まれて、俺が裏切るようなら殺せという依頼を受けていた。

メイと俺の間に生まれた友情に感づいていたようだ。