薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~シンガポール編とその後

俺は香港に帰ってから東京にくるまでの間に香港マフィアとマカオの住民の間で伝説のスナイパーと依頼主や仲間の組織に呼ばれるほどになった。

京子の事件以来、女は撃てなくなったのにも関わらずだ。

子どもは生まれてからただの1人も撃ち殺したことはなかった。

マカオや香港、シンガポールの貧民街では人身売買が多く行われていて、

さらわれた子供達を助けるために頼まれて商売してる奴らを撃ち殺した。

もらった金額はそれほど多くはなかったが香港を守りたいと思うほどになっていた。

シンガポール時代はよく自分に問いかけた。

ただ依頼されたから任務を遂行しただけにすぎない。

人殺しが好きなわけじゃない。

そうなるように義理の父親に育てられただけだ。

本当にそれだけなのか?

わからない。

ある日、クローゼットを服を着替えるために開けたとき、

偶然小箱をみつけて、これは俺のか?と思い中身をあけてみた。

チェーンに3個の指輪を入れていた。

なんだろうとじっと見つめてるうちに激しい頭痛に襲われてその場に倒れた。

メイとゆゆの悲鳴で、俺は病院に運ばれた。

その間に香港にいた頃にいっしょに3年間住んでいたアリサという女性との関係と暮らしたことを思い出した。

かつての恋人。

3年間の終わりごろには関係が冷え切っていたことや初めての出会い。

アリサの今までの人生。

彼女がスナイパースクールから逃げた理由は湾岸戦争時の元兵士の教官のPTSDを知って怖くなったからだった。

それ以上自由がほしかった。

それなのにスナイパーとして暗躍している矛盾を俺と同じ感覚で味わっていた。

たがいの傷を舐め合っていたのかもしれない。

アリサと出会ってから逃亡癖がなくなった皮肉。

医者は俺の本業は知らなかったがPTSDだといわれた。

しばらくこの仕事はやめてメイの形だけの見張り役だけをしようと決めた。

この時期にDVD「山猫は眠らない」というベトナム戦争時に実際に活躍した軍部の

スナイパーの映画をレンタルしてみた。

自分と重ねてみてしまい、胸が痛かった。

誰かに似ていると思い、全然似ていないと思った。

だが、主人公になつかしさを覚えた。

奇妙な感覚。

彼も命令されたからやっただけだといっている。

俺はもう一度アリサに会いたいと願ってまたあの海に一人で行った。

でも会う機会がなかった。

仕方なく華僑のチャイナタウンに行き、彼女の特徴とスナイパーを知らないかと行く先々に会う人々に聞いたが首を横に振るだけだった。

だが、俺を狙った女性のヒットマンの名前と住所だけはわかった。

スーという黒レースのセクシーな中国人女性だ。

彼女のいる場所へと向かった。

このときはアリサの居場所となぜ俺を狙ったのか問いただす為だった。

アリサも最初は俺の命を狙っていた。

いざとなれば女より腕力があるので力づくでも理由を聞き出すつもりでいた。

実際に会ったらとても美人で思わず見惚れてしまった。

スーは人違いだと嘘をついた。

笑顔で。深紅の口紅がよく似合っていた。

またここに来ると約束して店をあとにした。

日中なのでジャスミンティーを出されただけだった。

俺はスーの仲間に尾行されていたことなどまるで気づかなかった。