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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~シンガポールの夜&2016~

シンガポールでは08年から10年頃まで約2年間過ごした。

俺は新しい拳銃を調達しにガンショップまで出かけた。

LミントのM24型の拳銃とSVD、ドラグワ、バレットM82、38式歩兵銃、

パーミントライフル、ポリスモデルのやつなどすべて新品を揃えた。

よく品定めをした。

そしてアパートに帰って、それらの銃をハンカチでよく吹き、掃除をしてから

試しに庭で空砲してみた。

弾はまだいれてない。

いい音だった。

そういえばDRAIN~のロックバンドのドラマーのShinはこの国を訪れたときに

よく女性と間違われて男にナンパされたんだっけ。

その話を動画サイトでみて思わず吹き出してしまった。

ベース担当の朔夜も彼の話を聞いて爆笑していた。

彼らのメロディーや音は大好きだが魂の深い部分までは届かなかった。

でも自分がスナイパーであることを聴いてる間だけ忘れられた。

逆に「-HISUI-」のVOのKOUMIは歌詞こそ前向きだったりするが、闇の部分を歌声に感じ取ってしまっていた。

彼女だけにはなぜか自分と同じ匂いを感じた。

理由はわからない。

滝沢さんのバンドのVO、SHOの影響も受けたと雑誌のインタビューで語っていた。

高校時代は男女ボーカルのバンドが好きなクラスメイトしかいなかったので仕方なく

V系はコスプレしてライブをよく観に行き、エレキギターは家で個人練習をしていた

そうだ。バンドのその男女VOロックバンドのコピーでVO。

文化祭などで活躍していたそうだ。

数日後、久しぶりにカフェでビールを呑んでいた。

この店に入った時になぜか異様な空気を感じた。

カウンターに腰を下ろし、あたりを見回しながら、いい女をナンパしようと探した。

ゆゆは落とせそうもなかった。

そのとき、怪しい一人の男がウェイターをずっとみていた。

最初はゲイなのかと思って観察していたが懐から小型拳銃を取り出すのを見逃さなかった。

急にその男はウェイターを狙って撃とうとしているところだった。

俺はすかさずその男を拳銃を取り出して撃ち殺した。

ウェイターとオーナーの命は助かり、店もつぶれずにすんだ。

店の客は悲鳴をあげて逃げた。

少し落胆した。

アリサを探したがまだ見つかっていない。

ため息をつきながらビールを一口喉に流し込んだ。

店長にもありがたがられて、今夜は閉店にして残りの酒をおごってもらった。

俺は彼を撃った瞬間快感を感じ、そんな自分を嫌悪した。

人を殺す快感ー。

そんな感覚が俺にもあるらしい。

ロックを聴くよりギターを弾くより女を抱いたときよりも強い快楽を覚えてしまっていた。

震える手で拳銃を握りしめてコートにしまった。

きっと酔いのせいに違いないー。

その夜は朝まで泥酔した。

スナイパーが俺の天職なのか?

帰ってきた俺をみてメイは呆れていた。

ゆゆはロイに気があるらしいが彼に雇われたスパイにすぎず、彼の仲間とは思えなかった。

絶えず誰かと連絡をとってたらしいがロイの仲間じゃないと直感で思った。

あいつは何者なのだろう。

次の日の夜、スーに会いに行き、一緒に場末のスナックへと行った。

そこは夕食も食べれてキャバクラみたいで、ステージもあった。

スペイン風のカフェバーだった。

スーは快楽を求めてスナイパーになったと飲みながら白状した。

喜々として自分の夢を語った。

昔から露店でおもちゃを撃ち当てていつも好きな商品をあてていたことや、

子どもの頃は女性なのに父親について行って、動物の狩りをして必ず狙った獲物は撃ち当てて褒められたりして学生時代は射撃コンテストでいつも一位を取っていた。

選手として五輪にでれるだけの腕前もあったがやりたいことはマフィアの父親の影響で

スナイパーとして歴史に名前を残すことだったため辞退した。

スーは「血の伯爵夫人ーエリザベート・バートリー」の本に強く惹かれ、

彼女が666人も殺したので自分は777人を殺して史上最悪の悪女として

名を残すという野望を話した。

それを聞いた俺は背筋が寒くなった。

自分の美貌を確認するために応募したミスコンテストでは2位。

モデルにも気まぐれに応募したが惜しくも2位で落選した。

何事も一番が好きな彼女は落胆したようだった。

俺は彼女の殺意をそらすためにわざと自分とコンビを組まないかと誘った。

最強のコンビになれると。

彼女は考える時間がほしいと答えた。

スーはいずれ殺すかもしれない男なのでなるべく情が移ることがないように警戒していた。

彼女はこの店ではカルメンの踊り子のバイトをしていた。

スペイン料理が旨い店。

スーは赤いドレスに身を包み、深紅の薔薇をくわえながらカルメンを踊った。

それをみながら俺はスペインビールを呑んだ。

スーのダンスはとても妖艶だった。

踊り終えたあと、スーにもお酒を薦めた。

汗で光った彼女の笑顔は色っぽかった。

一杯ワイングラスを呑んだ彼女は上機嫌だった。

すごい食欲でパエリヤに舌鼓みをうち、赤ワインを二人で一本呑んだ。

真っ赤なルージュにも俺はそそられた。

その夜、LAのある女スパイの顔が浮かび、

心臓の鼓動が早くなり顔がほてり、息苦しくなって胸が痛くなった。

震えた手で髪をかきあげた。

人はそれを恋と呼ぶだろう。

あの女との記憶は出会ってすぐ他に男ができて振られたときの深い愛情と憎しみと悲しみ以外は思い出せなかった。

とても苦い感情だけが残っていた。

初めて会った日はあの容姿に翻弄されてがらにもなくときめいてしまい、動けなかったこと。

いつも挨拶がわりにキスをされたが手がだせなかったこと。

何度も裏切られたことや憎しみと殺意。

愛情はいらないから体だけでもほしいと告白されて復讐故に愛のないSEXを数回したこと。

体だけ魅了された。自分らしくないとも思った。

次の日、再びアリサがいるかもしれないと思い海にでかけていった。

彼女ならあの女を知ってるかもしれない。

もう一度会って確かめたかった。

後ろから聞きおぼえのある声に呼び止められた。

ふりむいたら、あの女だった。

「誰だ?俺を知ってるのか?」

不意にキスをされた。

「やめろ」両手で女をつきとばした。

ドキドキして胸が切なくなった。

唇を手で拭った。

よく似た見知らぬ他人のくせに馴れ馴れしいと憤慨しながらもなぜか憎めない。

「やっぱり覚えてないのね。あんなに愛し合った仲なのに」

女は微笑を浮かべていた。

俺は困惑した。こいつと俺が?

「まぁいいわ。私はゆゆの知り合い。神崎マヤ。フェニックスのことが知りたいの。

教えて」と目をみて聞いてきた。

「フェニックス?」

俺はもう一度聞き返した。

彼女の顔には見覚えがあるがどうしてもどんなことがあったのか思い出せない。

アリサを知ってるか逆に質問した。

彼女はなんて答えたっけ。

いきなり高美の声で現在に引き戻された。

また昔の夢をみたらしい。

高美はリクに先をこされて彼のソロで男女のボーカルでソロをやるので真似はしたく

ないしそれに急に決まったメンバーのそれぞれの活動が忙しくてソロプロジェクトの構想は断念せざるおえなかった。

元彼だけに発想までシンクロしてしまっていた。

しかし彼女はソロ活動をすることはあきらめてなかった。

ロシアのドタキャン女性アイドルデュオとか、女性版二人組のヴァンパイアのパンクをやりたいとまた構想を変えた。

もう暇な相方をみつけたと言った。

キーボディストの楓(かえで)というV系ミュージシャンの1人だった。

「ダイビュ」というユニット名にピッタリだと彼女は前向きだった。

HONEY-Xは始動していてなかなか時間が空いてなかったが、曲は一曲だけできてて

「ナンシーの夢」というタイトルがつけられていた。

エレキギターを弾きながら歌うので健(たける)にもっと教えてもらおうと頼み了解を得ていた。

彼には前のベーシストだった薫と出来てるのでお互いに友情しかないから浮気の心配はないと俺に念を押した。

しかし、里緒の兄のたかひろと結婚したらセレブの樋口家の一員になれるのにとわざと

彼を狙ってるようなふりで俺の気を引くようなことを言った。

そして「私達姉弟にもなりそこねたわね」と皮肉たっぷりに言った。

俺はその言葉を無視した。

昨夜の夢は高美ではなく、京子に対して後ろめたさを感じた。

高美はポジティブとネガティブの差が激しすぎると思った。

それでも高美と結婚して彼女の両親とも会って家族の一員になりたいと思った。

今はまだ彼女は家族とは絶縁状態だったがなんとか仲直りさせようと俺は必死だった。

もう夢のことは忘れてしまおうと思った。

マヤには2度と会いたくなかった。

会えばまた好きになってしまう。

豹にも悪いと思った。

もう薫にも里緒にもアリサにも未練はない。

こんな俺をディーンはマンガ「ハッピーマニア」のシゲタみたいだと茶化し、

愛し合う者はやがて再会するともいった。

馬鹿々々しいと思った。

でも、なぜかいつもどこかで会ってしまうこともあった。

いつも俺を利用した。

リンはそんな俺をかっこ悪いと思いつつ、自分もスナイパーというカタギじゃない女に

ずっと惚れていたので悪くいわなかった。

彼はドーリス時代「BLUE SKYJUMP」略してブルスカというタイトルで初の日本全国ツアーを回ったことがあると言った。空に向かって飛ぶ勢いで生きるという前向きな

タイトルのつもりだったがネガティブにとらえるメディアもいたそうだ。