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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~サイドストーリー4~

如月薫は数年ぶりに蓮と再会し、彼とレインと会わせた。

蓮はレインをしゃがんで抱きしめた。

レインはきょとんとしていが、薫は「このお兄ちゃんは子供好きなのよ。」と笑顔で

取り繕った。

薫が高校時代によく通っていた喫茶店で。

まだ、店長の冬子(とうこ)さんは健在でいい年のとりかたをしていた。

そこでの思い出を薫は語った。

薫は実はそのレストランでよく松本友也とデートをしていた。

海の浜辺で泳いでるレインを二人でみつめながら、高校時代の思い出を話した。

最初友也は学校一のハンサムですごく人気があった。

あのルイにそっくりなルックスとピンクの髪。

よく学校側が許したと思ったら彼は松本友明のジュニアで有名だった。

薫はといえば、当時は学校一のブスとして男子の間で有名だった。

母親がピアニストだったからだ。

薫は当時入学したばかりで性格美人だったので友也のクラスメイトから注目を浴びていた。

薫が友也の元カノの本を返してもらいに教室に行ったときだった。

薫は友也にすてられたクラスメイトに同情していて女たらしで評判悪かったので

「先輩みたいな女とっかえひっかえする人だいっきらーい」といってあげた。

友也は怒って「俺もお前みたいな容姿コンプの女なんかだいっきらーい」と言い返された。

それで終わったが友也のクラスメイトの男子がざわざわした。

「うわー、俺なら如月にそこまでいわれたら自殺するレベル」

「友也、大丈夫か?しっかりしろ」と慰められたらしい。

友也自身はひきつった表情で「なーに、負け惜しみだろ。俺に相手にされないの

わかってるから、身の程わきまえてんだよ。くくく」と平静を装っていた。

しかも薫は当時レイラというバンギャネームでライブハウス通いをしていた。

ビジュアルメイクをしていたので友也のライブに行っても彼は可愛いなレイラちゃんと思ってただけでまさか薫だとは知らなかった。

そんな二人がなぜ付き合ったのか人生はわからない。

きっかけはライブハウスじゃなかった。

友也は美術室の向かいの廊下で薫の貼られてる絵にみとれてたら、友也のクラスメイトの森下かすみに「これ如月さんが描いたのよ。気に入った?」と聞かれ、彼はすごくうろたえた。

「別に。天は2物を与えずって思っただけ。」とぷいと横を向いて放課後だったので帰った。かすみは「なんで男はみんな外見で判断するのかしら」とため息をついた。

かすみは普通より美人だったのでモテた。薫と不倫していた美術教師が6月に不倫疑惑が発覚して転任して新しい不細工の教師がきて美術部の顧問になった頃だった。

友也は高校入学してから高2の6月ごろまで、毎日女をとっかえひっかえしていて一緒に連れて帰る女性は日替わりメニューで一人暮らしなのをいいことにアパートに連れ込んでは一度寝ただけで別れるという最低な生活をしていた。

薫と当時親友だった山田茜(あかね)はそんな友也をみて最初は二人で最低と悪口をいいあっていて話の種にして楽しんでたが、女性と二人連れの友也の目は笑顔でも女性といるのに笑っていなかった。

時折淋しそうな目をしてるのを見逃さなかった。

「先輩・・・淋しそうな目をしてる・・」と薫はつぶやいた。

茜は「え?松本先輩が何?」と聞かれたが「なんでもない」と答えた。

友也のほうはまた春の放課後、薫をみかけて「げっ如月薫。目を合わせないようにしよ。」

とそそくさと帰ろうとしてふと薫をみたら、散った桜の花びら拾い「綺麗」とうっとりとみとれていた。

その表情をみた瞬間、友也はなんと薫に恋をしてしまった。

それ以来、美人にみえた。

あばたもえくぼだ。

かすみに気持ちがばれて他所の高校のバンド仲間にはよくのろけてたが、クラスメイトの前では嫌いなふりをしていた。

かすみは友也の唯一の女友達。寝たこともなかった。

彼氏がいたからだ。

クロムの宏夢似だった。

かすみは「不毛な片想いね」といった。

「俺はあいつとは両想いだとしても寝る気もないし付き合う気もない。一緒に連れて歩けるかよ」と

言っていた。まだ10代の若者なので全員幼すぎた。

ある日、薫は偶然同じ電車で友也と一緒になり立って隣にいたが妊婦に席を譲ったときに「如月、お前って優しいな」と笑顔で友也にみつめられていわれたとき、胸がときめいてしまった。

それ以来、友也のことが頭を離れなくなった。

秋ごろ、思い切ってラブレターを下駄箱に入れた。

当然、友也はみんなの前では「あとで捨てておこう」と興味のないふりをしたが

しっかり持ち帰り、当時の彼女と一緒に封を開けて途中まで読み、ごみ箱に捨ててしまった。「なんで?まだ全部読んでないじゃん」といわれたが、「お前帰れよ。もう十分楽しんだろ、俺達」といって無理やり返した。彼女は「ひどい!すけこまし」と毒づいてドアを乱暴に閉めてでていった。

友也はその後、空のごみばこから手紙をとりだして、最後まで読んだ。

もちろん告白の内容だったが、鋭い洞察力で友也に対する想いが綴られていた。

「あの野郎・・・!」と一言つぶやいた。

当然友也からはなんの返事もなく薫は失恋した気分で落ち込んだ。

しかし、いつも茜と昼食をとる外のベンチに友也が現れて「よ、如月。」

と言われてびっくりした。「お前美術部だろ。絵みたよ。よかったらスケブみせてよ。」といわれて「な、なんで先輩に?」といったら勝手に鞄からスケブを取り上げられて、じっとページをみて絵を眺めていた。

真面目な表情だった。

茜は「先輩、勝手に観るのよくないですよ。それにもう弁当食べたんですか?」と

文句をいった。

友也は無視した。

「結構上手いじゃん。今度俺の似顔絵でも描いてよ。そういうの一番得意だろ、お前。くくく」といたずらっぽく笑い、薫が顔を赤くしてるうちに行ってしまった。

茜は「だから手紙はやめとけって言ったのに。でもまんざらでもなさそうね」と意外そうに薫に言った。

当時茜は友也の親友の転校生の不良の沢田アキラとつきあっていた。

薫は茜につきあってアキラのバンドをみにライブハウスに出入りしていた。

「そうかな、きっとからかってるのよ。だってメアドも携帯番号も書いたのに返事くれないし」とドキドキしながら言った。

そのころ、友也はもう女性と一緒に帰ることはなくなった。

他校に彼女がいるという噂だったがまた昼休みに遊びにきたので「姉貴に控えるように怒られたから。それに親にバレたら独り暮らしできねえじゃん?バラすとかいいやがった」と口を尖らせていっていた。

かすみと友也はよく休み時間に窓辺で話をする仲だった。

先輩の教室に行ったらとても仲よさそうだった。