薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~妄想彼女~

友也と薫は薫の弟のクラスメイトがバーテンダーをやっている冬子さんと一回りも年齢が離れてるのに付き合ってるということで好奇心でこのレストランに高校時代にデートで行ったのだった。

未成年だからお酒を注文してもたしなめられた友也はすねていた。

俺はその事実に衝撃を受けたが薫の当時の人脈の広さに驚いた。

今冬子は、同じ年齢くらいの出版関係の編集者とつきあってるそうだ。

薫と冬子は再会して当時の思い出話に花を咲かせていた。

ヨシキがここでバイトをしたこともあるので彼の話題でもりあがった。

ヨシキはよく薫の高校に友也に会いに昼休みの間だけ制服を友也に借りて

遊びにきたり友也のバンドの練習スタジオにも隣のスタジオで練習してて休憩時間にも遊びにきたりしてたのでどんだけ俺のこと好きなんだかと友也は薫に自慢してたが

ヨシキは「沙耶さんのことを知りたくて遊びにいってたの!」と薫には言い訳をしていた。

友也と薫が再会したのは、レインが3歳ごろだったので蓮が香港に戻ったあとだった。

ちょうどNYのファッションショーの写真を撮りにきた頃だった。

子どもがいたので結婚してると思ったらしいがシングルマザーだと知ると

「また悪い男に騙されてすてられたのかよ」とわざと意地悪をした。

実際昔はプレゼントに「これ俺の気持ち」と言って友也の愛用してたエタニティの香水をプレゼントされたり、お揃いでつけたらなぜか「学校でつけるなよ、バレちゃまずいだろ。」と逆キレされたり、ツンデレだった。

しかも「お前を抱けるのは俺だけ」と殺し文句までいわれたそうだ。

バンドのメンバーには「物好き」と友也はからかわれたが無視して付き合いつづけた。

再会した友也は相変わらず最近の仕事の話や音楽の話しかしなかったがクロムハーツの再結成の話で盛り上がり、昔の恋人同志のような気持ちになった。

ちょうど北米ツアーをやってたので一緒に観に行った。

子どもを千秋達に預けて。

その夜に久しぶりにお互いに酔った勢いで朝まで過ごしてしまった。

「俺、沙耶とは別れたから。あいつは結婚したよ。」と一言だけ言った。

薫と別れた原因は沙耶と関係が復活したからだった。

薫はひどく当時は傷ついた。

結局二人は元サヤにもどり、再び交際が始まった。

もう一人前の新米カメラマンとして駆け出しだったが薫の画集は褒めてくれた。

ちゃんと買ってみてくれていた。

結婚は出来婚だった。

でも指輪をもらった時はさすがに嬉しかった。

レインの父親のことはスナイパーとだけいって名前はいわなかったそうだ。

男女の双子が生まれて名前は美雨(みう)と秀人(ひでと)にした。

やたら雨にこだわるなぁと思ったらクロムの曲からつけたのだった。

薫は蓮に別れを告げて、レインと一緒に帰った。

1人取り残された俺は冬子さんが綺麗だったので、

カウンターに一人座って飲み物を頼んだ。

「ビール一杯。」冬子には「貴方、いかにもカタギじゃないって感じね。」と

いわれた。

「あ、わかった?俺スナイパーの商売やってんだ。なんか用事あったらいって。」と

名刺を出そうとしたら冬子は笑って「何それ。映画の観すぎ」と軽くあしらわれた。

どうやら日本には殺し屋なんかいるはずがないと思い込んでるらしい。

俺は「バレたか。本業はスカウトマン。あんた美人だし俺の店こない?

売れっ子の嬢になれるよ」と軽い口調で言った。

「あいにくだけど、この仕事気に入ってるの。他当たってくれない?

フミちゃんのスナックとか」と他の店をなぜか紹介された。

「何それ?よりどりの売れそうな美人がよく飲みにくるのか」と逆に質問した。

「ええ。横田基地の近くにあるの。貴方みたいな流れ者がよく寄る呑み屋よ。

私も仕事帰りによく飲みに行くの。彼氏とね。おばあちゃんがママさんだけど

とても面白い人で米兵にもモテるのよ」と言った。

ベースキャンプの近くのスナックか。米兵といえばトニーさん思い出すなぁ。

俺は物思いにふけった。

店の名刺までもらった。

「スナックFUMI」か。今度寄ってみようかな。

俺はそのころにはもう高美と別れるつもりでいた。

もう自分に嘘をつくのにも疲れた。

自分の気持ちをごまかせなかった。

高美は完全にたかひろに夢中になり、マジでセレブ婚をすると夢みて

俺がいるのにモーションを積極的に彼にしていた。

あいつの本心は測りかねたが、どうも京也があいつに一番似合うような気がした。

俺は健の自伝を読んだリンのことを思い出した。

「ノイズになってしまった転校生の部分がおもろいで。お前も俺も所詮ノイズなスナイパーになってもうたな」と自嘲気味にいっていた。

俺達は健たちや滝沢さんや高美達とは真逆の闇社会にいる。

カタギにはもう戻れない。

俺はもう滝沢さんのサウンドを聴いても更生しようとか思えなかった。

むしろ必要ないとすら思っていた。

リク達と俺らは違う人種なんや。

瞳もSHINやリサと過ごして同じことを痛感したようだ。

覚醒不能な人生。

生まれつきの性分だと俺は自分を分析した。

たとえ今、家族が生きていてもいずれはこの裏社会選んでいただろう。

俺達5人はそれぞれ家庭にも普通の社会にも居場所を見つけることができなかったのだ。

この闇の社会にしか居場所がない。

俺はまた独り身かー。

ビール2杯目を呑んで冬子さんからFUMIちゃんというおばあちゃんについて

聞いてみた。

自分の今の恋の話までしてしまった。

冬子は「それもひとつの立派な恋よ。いいじゃない。私は彼女みたいな人は嫌いだけどね」とはっきり言った。

俺はその男前な性格が気に入った。

冬子は彼女というよりも同性の友人として気が合いそうな気がした。