薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

「灰色の街」~彼女と過ごした半年間~

章子は「大丈夫なの?今やってる仕事。私は彼女達が気の毒だと思うわ。」

と突然切り出した。

「今更、俺の片棒担いでるくせに何いうてんねん。しゃぁないやろ。あの子達が一人で家族全員を養う為なんやから。北の国では普通やで。それにこっち(香港)のほうが、

店の自給は倍稼げるし働いた分は全て彼女達の配分になる。」と章子の目をみて真面目に答えた。

次の日にまたレンタカーを借りてまた一人強制送還する奴一人を狙撃して、

逃走してきた。

章子のいうとうりだ。

あの娘達はその後どうなっただろう?

北の国の国境付近で出会った少女達を思い出した。

またアリサの勤めている台湾料理店で章子と一緒に食事をして引っ越したばかりの

ホテルの部屋に戻った。

未だにウェイトレス達は俺を不審な目でみる。

「あの常連さん、いつも二人分食べてるのに太るどころかどんどん痩せていってるわ。」とひそひそ声で俺達に聞こえないように話し合っていた。

明日はタキシード姿で来れば怪しまれないだろうか?などと俺は呑気に考えていた。

リンのいる「フェイ」にはあの夜以来行かなかった。

なんだか気まずくて顔を合わせずらかった。

リンとアリサはすっかり殺し屋から足を洗っていた。

俺と違って年季が入ってないからだろう。

たった4年間しか仕事をしていなかったからリンの場合は。

アリサはリンへの愛の為に堅気になった。

かつて俺も京子の為に足を洗おうとしたことがあった。

京子が今も生きてたらリンやアリサと同じように堅気になっていたかもしれない。

章子は俺が無事に任務を遂行したのでホッとしたと言った。

俺と章子は京子と死別したという同じ痛みを抱えていたのでその後ベッドの中のシーツにくるまって寂しさを共有しあいお互いに抱き合いながら慰めあった。

久しぶりに他人の体温を感じた。

こんな安らぎは約半年と2ヶ月ぶりだ。

章子は顔や膝黒の髪の長さだけでなく体型や胸や身長まで全てのパーツや声まで京子に

顔がそっくりだった。

双子だから似すぎているんだろうと思った。

再び恋をした。

彼女に京子を重ねていただけかもしれない。

章子も「ずっとあなたを好きだった」といってくれた。

でもまだ京子を忘れられない後ろめたさもある。

正直に章子に京子への想いを打ち明け、章子の気持ちにはまだ答えられないと言ってから、あの夜以来、章子とは関係をもたないようにしていた。

章子と出会って以来、時々京子が夢に現れて正面から抱きついてきた。

俺が彼女を抱きしめた所でいつも目が覚める。

そのときはいつも肌寒かった。

横にいる章子になぜか愛しさを感じた。

章子と出会って約2ヶ月になる。

もう2月で香港のチャイナタウンでは毎年旧正月の行事をやっていた。

あちこちで爆竹を子供達が鳴らして遊んでいた。

俺も神戸の中華街でガキの頃よく遊んだから懐かしくて涙が出そうになった。

殺し屋の癖に情けない。