薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~彼女と過ごした冬7

「今度から気を付けるわ」

「どういう意味」俺はいぶかし気に思って尋ねた。

「私の仕事の邪魔をしないでほしい。今までのような仕事は引き受けないで。

米中に不利になるような標的は避けたほうがいい。」

マヤのいいたい事は何を意味しているかはだいたいわかったがわざと理由を聞いてみた。

「なんで」

「これからもたまに会って連絡をとったほうがお互いにもいいと思うし安全だから。仕事以外で。」

俺は京子をちらりとみながら「他の男にしといたほうがいい。俺とは今日が最期になるかもしれない」と一応断った。

「そうかもね。じゃぁやめておく。さっきのことは忘れて」マヤは何事もなかったように出て行こうとした。

マヤの腕をつかんだ。「待て、」。意外な顔をしている目をみつめて「じゃぁ、暇が

できたら連絡する。お前も会いたくなったらいつでも電話でもメールでも送って」と答えた。

彼女は共犯者のような微笑を浮かべて「交渉成立ね、また連絡する」とキスをしてドアを閉めてでていった。

京子は「さっぱりわからないわ。どういうことなの」

と呆然としていた。自分がいるのにといいたいのか。

「京子、お前は俺がずっとお前のことだけ思いながらずっと独り身でいろとでもいいたいわけ。貞操をしぬまで守ってほしいわけ?」

「そうよ。骨まで愛してほしいの。死ぬまで私のこと忘れないで。」

俺はため息をついた。

「俺はたぶん一生お前のことは忘れないし、お前以上に好きな女にも出会うことはないから安心しろ。もう恋はしない」

「嬉しい」京子は俺にだきついたが、体をすり抜けてしまった。

二人で苦笑した。

マヤへの恋心は芽生えかけたがそっと封印しようとした。

彼女との恋愛は危険すぎる。

もう誰のことも失いたくなかった。

でもたまに会うくらいなら。。。いいかもしれない。

早くこの目の前の女を成仏させなければ彼女と連絡がとれない。

どうしたらいいか迷った。

急に凛の顔が浮かんだ。

あいつに相談してみよう、信じてもらえるかわからないが。

久しぶりに「フェイ」に寄ったが彼は今日は非番できていなかった。

仕方なくアリサのいる店に行った。

「アリサ」ちょうどいた。

「また少し呑んできたでしょ」

「まぁね、あいつは?」

「ときどき来るけど、仲直りしたの?」とアリサ。

「謝ろうと思って。あいつのいうとうりかもしれへんし。実際捕まりそうになったしな」と当たり障りのないことを言った。

そうだ、あのことも謝らなきゃ。

しばらく、お茶を頼んで待ってたがなかなか来ない。

あいつ遅いな。

ドアが開いた。

凛かと思い、振り向いたら瞳とトシヤがきた。

「おう、久しぶり」と手を振り声をかけてしまった。

気が緩んでいたのかもしれない。

トシヤは「よう。昨日マヤさんと一緒だったでしょ」と開口一番にいわれて絶句した。

「なんで知ってるんや。別になにもないし会って話しただけ。偉い目におうたけどな。」「例えば?」と目を光らせながらトシヤは聞いた。

俺はなぜか焦ってしまい、秘密にしたかったので「あいつ今はこの辺のスパイでこの辺を調べてるから気をつけたほうがええで」とさりげなく言った。

「口封じのために寝たんだ?」トシヤは煙草に火をつけた。

なんでそこまで知ってるんだろう。

「いや、寝てないし、なんでもないし」と言い訳をした。

トシヤは笑って「わかりやすいね、マヤさんに言い寄られて断る男がこの世にいるの。

俺なら一度はお願いしたいね」とまでいわれ返答に困った俺は「いるだろ、横に。」と瞳をみたらいなかった。「あれ?あいつは?」「さぁ、トイレじゃない?初めてきたから場所に迷ってるかもしれない。」

と運ばれてきたお茶を呑みながら答えた。

「しょうがないな、」俺は席を立って瞳を探しにトイレに行った。

女子トイレだろうか、男子トイレだろうか、

迷いながら男子トイレに入ろうとしたら瞳にぶつかった。

「なんだ、いたじゃない。。か。。。」俺は脇腹に鋭い痛みを感じてその場に倒れこんだ。

「ごめん」瞳は小さく言ってその場を逃げていった。

急いで後を追いかけようとしたが意識が朦朧として動けなかった。

トシヤはその間に「あ、俺大事な用事思い出したから帰る。瞳達によろしく」とアリサに言って勘定をテーブルにおいて慌てて店を出て行ってしまった。

アリサは客の悲鳴を聞いてトイレの入り口に走って行った。

凛はアリサから電話で蓮が血だらけで倒れてると知り指定先の病院へ車を走らせた。

ナイフを太ももに戻して瞳は店をでていた。

既に外にでていたトシヤと一緒にタクシーを拾って逃げた。

俺は気絶する前にアリサの悲鳴を聞いた。

他の客も騒いでいたように思う。

記憶はそこで途切れた。

ホテルに戻った瞳はすぐにバスルームに入った。

トシヤはため息をついて、ベッドに座り込んだ。

(蓮。。。許してくれ、)両手を組んで顔を覆った。

瞳は中々バスルームからでてこなかった。

シャワーを浴びる時間にしては流すぎる。

様子を見に行った。

トシヤは息を飲んだ。

「おい!何してんだよ!?」急いで体を抱き起した。

瞳は手首を深く切っていた。

血がバスタブに広がる。

トシヤは急いで救急車を呼んだ。

俺もその頃病院に運ばれていて意識を取り戻していた。

「大丈夫!?」凛とアリサが同時に叫んだ。

「あいつ、何考えてんだ?」瞳のことを考えた。

「今はしゃべっちゃダメ。傷口が開いちゃう」とアリサは気遣ってくれた。

凛も「今は何も考えるな。ゆっくり休め」と心配そうに言った。

京子は真っ青な顔をしていた。元々青白い顔をしてたが。

その後のことはよく覚えてない。

なんであんなことをしたのかあいつに聞きたかった。