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薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~彼女と過ごした冬9~

女性の看護師が病室に入ってきて瞳の腕に点滴を投与し安定剤を飲むように促した。

瞳は素直に飲んだ。

看護師は瞳が眠りに入ると同時に出て行った。

トシヤは「蓮はまだ生きてるよ。安心しな。失敗して誰にも会わせる顔がないからこんなことしたんだよ。」といったので豹はほっと胸をなでおろした。

「よかったやん。止めをさしてたら余計にみんな救われへんしな」と豹が二人を慰めた。

「お前も以前、蓮に銃を向けたことあるよね。なんで?」とトシヤは豹に

瞳を見守りながらいきなり尋ねた。

豹は当時を振り返り「なんでって、、、あの時は蓮がむかついたからだよ、俺より

かっこええしええとこどりで元カノといちゃいちゃしよるし、記憶喪失なのをいいことに。てかなんで今更そんなこと聞くねん。」と焦って適当にはぐらかそうとした。

トシヤは「本当にそれだけ?お前らしくないじゃん。物書きのイメージ台無し。」とまでいった。豹はトシヤを睨んで「お前にだけはいわれたくないな、元絵描きの卵のジャンキーの癖に。」と言い返してしまった。

トシヤも頭にきて「俺はもっと深い理由や意味があるんじゃないかと思ったけどやっぱその程度だったんだな。もう詩人を名乗るなよ、

せっかく表紙を描いてやろうと思ったけどやめた」と、罵しった。

豹は激怒し「俺が海外嫌いなのにわざわざ見舞いにきてやったのにその態度はないやろ!誰も表紙の挿絵とか頼んでないわ、ぼけ」と帰ろうとしたら、

「ごめん」とトシヤが先に謝った。

「いや、もう過去のことやし。今はあんな誰とでも寝る女なんか嫌いや。

あの時はあいつの組織にまで俺は指図されてー」といいかけて慌てて口をつぐんだ。

「え?何?マヤさんがどうしたの」とトシヤがはっとしたように聞いた。

「過去にまで遡ることないやろ。それより瞳から何も知らされてないんか。本当に。

もしかしてこいつも単なるマフィアじゃないもっと大きい別の組織に命令されたとかいうてなかった?」と豹が逆に尋ねた。

「俺は何も聞いてない。何も話してくれなかった。でも、やっぱりそれだけじゃなかったんだね」とトシヤは豹に確認するかのように聞いた。

「ほんまは誰があいつを狙ってるかわかっとるやろ。なんではっきり言わへんねん」と

とだけ言って豹は下を向いた。

二人はそれっきり無口になり、それぞれ考え込んだ。

俺は空港でCIAに成りすましたテロリスト数人に撃たれて倒れた。

みていたのは、薫と偶然居合わせた豹だけ。

「お前、何やらかしたん?俺はとんだとばっちりや。お前撃たなきゃ殺すいわれて

仕方なくシンガポールで銃を向けるしかなかった。あの海岸で。マヤがいてもいなくても関係なかったんや。けどほんまごめんな。」とあとで香港に来る時豹に謝罪されたが、記憶を取り戻してた俺は何もいえず頭を軽く叩く事しかできなかった。

暗殺に失敗した理由もいわなかった。

俺はなんの思想ももってなかったし、ジョンレノンのファンでもなかったがあのDJには魅力を感じ、殺すには惜しいと思った。

今も元気でいるだろうか。

暇だったので凛にノートPCを持ってきてもらってたのを思い出した。

HPを開いて調べてみたら彼は俺がLAを出る前日に他のスナイパーに既に暗殺されていた。

じゃぁ、俺を狙った奴らは同じテロリストの仲間なのかー?

背中に戦慄が走った。

京子も覗いてて「何?死んだDJに興味あるの?」と聞かれたので「昔俺が取り逃がした相手を思い出して。」と答えて頬ずえをついた。

それを聞いた彼女は「やだ怖ーい」といいながらは俺とPC画面を交互にみた。

「お前も死んでるやろ。」といわずにいられなかった。

「あ、DJが後ろにいる。」と京子がいうので「怖いこというな」と怒鳴った。

「あんたが殺した人達今でもここにたくさんいるわよ。

私にわざわざ場所まで教えてくれるの。あのシナばあさんは半分くらい祓ってたわ」

俺は退院したらまた祓ってもらいに行こうかとまで思い詰めた。

「ちょっとこの人達を外に連れてくわね」と京子は出て行った。

少しは役に立つもんだな、幽霊も。

また今日はロシアンマフィアが見舞いにきた。

「退院したら頼みたいことがあるんだけど、ちょっとここにきたのは訳ありでね」

とクッシーにいわれて「ん?なんでもいいからいうてみ」と相談にのるつもりで聞いた。

仲間と顔を見合わせてたのでまた悪いことでもして逃げてきたのかと心配になった。