薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~彼女と過ごした冬10・雪解け~

クッシーは少し怯えたような表情を浮かべて話し始めた。

「実はあるロシアの反政権のテロリスト達と呑んでて、そいつらから国家転覆の計画を

打ち明けられた。それで武器を貸してくれと頼まれたんだ。

俺達はそんな革命の英雄とか興味ないし、かっこ悪いから断ったんだ。

あいつらそのとたんに態度が変わって俺らに銃を向けてきやがった。

怖くなったから応戦して命からがら逃げてきた。

助けてほしい。

こんな仕事はしてても命は惜しいからな。」

といわれた。

俺は嗚呼やっぱりと思いながらも「ちょっと待ってくれ。俺、病み上がりなんやけど」と少し困ったような表情をわざとした。

しばらく間をおいてから「そいつらはお前らが香港にいること知ってるのか」

とクッシー達に聞いた。

「ええ、知ってるわ。実際に5~6年前にモスクワ辺りでテロ事件があったの知ってるでしょ。その生き残りよ。奴らは。KGBみたいな連中がやつらを逮捕しようとしてるから国外逃亡してきたの。私達に計画話しちゃったから始末しようとしてるんだわ。

どっちにもつかまりたくないの。事情聴取なんてされても死刑になってしまう」

と今度はアンジェラまでいきなり顔を寄せてきた。

いい香りがして思わずたじろいでしまった。

「いや、待て、わかったよ。お前らの命は必ず守ってやるよ、ただし俺が退院してからだ。それまでは無事に逃げ延びてくれ。」と

俺はアンジェラの肩を掴み彼女から離れてからターニャに視線を向けながら答えた。

「よかった。さすが蓮。貴方なら頼りになると思ったわ。」とターニャ。

リョウは病室のドアを少し開けて、廊下に誰かきていないか辺りを伺っていた。

俺はリョウの親父さんがこのマフィアのボスなのを知っていたから様子を聞いた。

「親父を人質にとられた。」とうなだれた。

その瞬間、俺は怒りがこみ上げた。

あいつら、絶対に許さへん。

「俺がお前らを守ってやるけん。親父さんの名にかけて」

「おい、落ち着け、お前香港育ちなのに広島弁訛りになってるぞ」とクッシーが慌てて言った。

俺は意に介さず「モスクワとっちゃるけん」と言ったら今度はリョウに「とらなくていいよ」と引きつった笑顔でなだめられた。

一度は行ってみたいものだ、ロシアに。

「じゃ、私達帰るわ。お大事にね」とマーガレットの花束を花瓶に刺しながらアンジェラはいうと、チャドを残して4人は出て行ってしまった。

「チャド、お前は一人でも敵は倒せるから大丈夫やろ。4人守るだけで精一杯なんや、すまん」と俺は申し訳なく思いながら言った。

「そんなぁ、俺はこの先どうなるんですか」と顔が青くなった。

「甘えるな。自分の身は自分で守れ。」と俺は睨んで言った。

「それはないっすよ、蓮さん」とチャドは今にも泣きそうな顔をしていたので

笑いを堪えるのに大変だった。

「嘘に決まっとるやろ。お前がいないとあいつら悲しむしな。アンジェラは報酬はいくらいうとった?」というとチャドは安堵した表情を浮かべながら、「えっと札束で鞄1個分くらいと言ってました」俺はにやりと笑い「その金で武器も買うからな。お前も足手まといにならないように今から逃げとき。あ、今チーズ買ってきて。もう病院食はまずくてたまらん」と命令した。

「あ、はい。今すぐもってきます」と急いで買いに走って戻ってきた。

「サンキュー。ほな、また。危なくなったら連絡するようにアンジェラに伝えといて」とチャドに念を押していった。

「兄貴じゃないんですか?」と不思議そうに尋ねた。

「別にいいだろ、お前ら別行動じゃないんだし、女ならすぐに助けを求めてくるはず。」と俺はアンジェラの胸を思い出しながら答えた。

「わかりました。では」とそそくさと大柄な体型をしているのに背中を丸めて出て行った。

その間、京子はみえない相手と話をしていたが、いきなりこっちを向いて

「大丈夫なの?またそんな安請け合いしちゃって。それに彼だけからかうなんて。

それに今度こそ神崎マヤとかいうスパイにつかまってしまうわよ。」と心配そうに言った。

「大丈夫や。なんかあいつみてるといじりたくなるねん。あいつ可愛いやろ。

みんなのスターやし。それにマヤは表向きはスパイやけど、正体はFBIにもぐりこんだ美人テロリストの1人やから」と俺はチーズを食べながらさりげなく話した。

「テロリスト!?」京子は驚いていた。

俺も最初はマヤに騙されていた。

FBIのLA支部のHPの名簿をみたらマヤとゆゆの名前がなかった。

同じ顔の別の名前が存在した。

「瀧沢クリステル」。

 

その頃、豹は瞳の病院に見舞いに行き、ホテルの部屋に戻ってからスマートフォン

凛に電話をかけた。

「ほんまに蓮は生きてるんか?」と確認した。

凛は仕事中だが、左肩で耳にスマートフォンをあて「ああ、ぴんぴんしとるで。まだ傷は浅いし回復に時間かかるやろうけど。

病院行くとたまに独り言をぶつぶつ言っててなんか頭のほうが心配やけど、まぁ大丈夫やろ。それよりお前は今何しとるん?」と呑気に凛は応えた。

「実は瞳とトシヤにおうた。マヤのことで話があるねん。」と豹は真剣な顔で話した。

「それ、どういうことや?」と聞きながら手に携帯を右手に持ち替えて凛の表情が険しくなった。

「会って話したい。店の場所はどこ?」と豹は聞いて電話を切った。

すぐ凛から場所と時間を知らせるメールがきた。