読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~新宿編2 思い出~

HONEY-Xにドキュメンタリー映画の話が舞い込んだのはちょうどこの時期だった。

俺は部外者だったが自分のことのように嬉しかった。

高美も自分が映画になるのだからこのところ上機嫌なのはそれが原因だとわかってほっとした。

ラジオのDJのオファーもボーカル故にきているそうだ。

でも監督が樋口里緒と知り、衝撃が走った。

なんで今更俺の前に次々と昔の女が現れるんだ。

会わなくてすむといいんだが。

松田友美は空広が既婚者だと俺に教えてくれた。

だから高美との噂がないのか。

実際のところどうなのか問いただしたい思いだったが俺も薫に会うたび心が揺れ始めていたので聞くことができずにいた。

勿論、薫とは肉体関係はない。

息子に定期的に会ってるだけだ。

もし再会したあの時に今の仕事をやめていたら息子と薫と3人で仲良く暮らせていたかもしれないと思うと後悔した。

今更だけど。

二人で会うといつも付き合ってた頃に近い想いを抱いた。

それでいて、マヤのテロ組織を今捜査中で行方を捜していると、香港で再会したあとに

すぐに付き合ってテロ組織から彼女を奪って逃げてればあいつを捕まえずにすんだのにとも思った。

俺は気が多いのかもしれない。

更に五十嵐刑事に会いに湾岸署を訪れた時に京子に顔と髪型がそっくりな女性刑事と会い、思わず声をかけて名前を呼んでしまった。

女性には睨まれて掴んだ手を振り払われた。

「あんた、血の匂いがするわね」と謎の微笑でいうとその場を去っていって

しまった。

自首しにきた殺人犯だと絶対間違われたと思うとこんな自分に自己嫌悪が走った。

五十嵐刑事は彼女を嫌われる勇気をもって難事件に挑み、今は検挙率ナンバーワンの

凄腕刑事の西野かんなだと教えられた。

五十嵐刑事には去り際に「お前もっと上手いナンパをしろよな。

あんな手口じゃ誰も引っかからないぞ」と笑顔でいわれてしまった。

凛達には呆れられた。

俺は今の仕事をこの事件が解決したらやめるつもりだ。

もう潮時だと思った。

いつもマヤの組織から命を狙われる危険が何度かあってそのたびにマヤに対する憎しみも湧いていた。

この女は俺が必ず始末してやるー。

香港にいた頃を再び思いだした。

日本にきてから世界一治安がいいほうなので豹達と闇サイトの仕事をしている間は

今迄の自分の人生をこんな風に振り返る余裕があった。

日本はとてもこんなに狭い国だっけ。

知りあいの知り合いに遭遇しやすい。

最近は美人の元トルコの日本大使館で働いていた美人の女スパイの南条楓(かえで)が

うちで一緒に仕事をすることになった。

先祖は代々くノ一だそうだ。

俺はなぜかこの女にだけは色気をまったく感じなかった。

 

香港で俺はアンジェラ達の宿泊しているホテルを訪れ、5人に防弾チョッキと夜になると光る星印の小型拳銃5個と普通の拳銃5個を渡した。

チャドだけには言いにくそうに「あのう、これって逆に不利になりませんか?敵の目印になるというか、、、」と突っ込まれた。

俺はそこだけは盲点を突かれたと焦り「アホ、敵は必ず夜には光る星に目が嫌でもいくやろ、そこを狙うんや」と慌てて思いついたこと無表情で話した。

「なるほど、流石兄貴」と彼は妙に納得していたので安心した。

クッシーと美女二人もそこだけ気がかりで不安になっていたらしいが、俺が怖くていえなかったらしい。

リョウの部屋にも渡しに行ったらチャドと同じ痛い所を突かれたので全く同じ説明をしたら「親父もそういう過信があったから捕まったんだよな」と遠い目をしていた。

俺はそれには答えずに真剣に「なんでボスがテロリストごときに捕まったんや、普通に警戒するやろ他人は。特にお前らのような人間は」と逆に人質になってしまった原因を聞いた。

リョウは「あるBARで呑んでたら美女3人と男4人が気さくに話しにきたから一緒に呑んだ。何回も乾杯してウォッカを呑んでた。その隙に親父のグラスだけ眠剤を入れられた。その直後に話をもちかけられて俺達は断って逃げようとした。親父は立ったとたん倒れるように寝てしまったところを奴らが連れ去ってしまった。奴らのほうが喧嘩も強いしたくさんの人数にいつのまにか取り囲まれた。卑怯だよ、やり方が。」と怒りを込めて言った。

俺は「そいつは危険だな、」と言いながら窓を見上げた。

ちょうど夜10時を回った頃だった。

向こう側のホテルの屋上から何か光るものが見えた。

嫌な予感がしてリョウに「伏せろ!」と叫び一緒に地べたに体を窓から見えないように隠れたが、銃弾が窓を割って壁に数発埋め込まれた。

リョウは青くなっていた。

「お前たちは早くこのホテルから逃げろ。明日居場所が落ち着いたら連絡してくれ。」

と言い残して俺は窓から飛び降りた。

敵は向かいのホテルの屋上にいた。

リョウはここは2階だったかなと思いながらも部屋を出て走った。

俺は運よく下のバルコニーに降りることができ、死なずにすんだ。

テロリストを狙って、長いライフルをもってスコープ越しに相手を捉えて銃で数発撃ち返した。

黒い影は消えていた。

相手が生きてるか確かめに行こうと窓を銃で割って入るとバスローブ姿の男女二人が悲鳴をあげたので「ごめん」とだけ言ってドアを開けて廊下に出た。

非常ベルを誰かが鳴らしたらしい。

俺はこのままではまずいと思い、急いでこのホテルをでて向かい側のホテルの

非常階段を上り、屋上に走っていったら誰もいなかった。

血痕が少し残っていた。