薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~回想2 香港編

瞳もまた雪乃のことで豹からもらったスカウトマン5人の画像を眺めながら香港での蓮と仲直りしたことを思い出した。

蓮が刑務所に入って半年が過ぎてると知って瞳が賄賂を全額負担して釈放を警察に求めた。

マヤと逃げたはずが蓮だけ捕まったらしい。

ゆゆはテロ組織にまだいたのでつれもどす為だと蓮から聞いた。

折角ロシアのスパイからもアメリカのテロ組織からも逃れるチャンスだったのに。

クッシーからアンジェラとターニャとリョウが自ら自首してしまったと聞き、やっぱり蓮を助けなきゃと思った。

何があったのか知りたかった。

当時俺はマヤに呼び出されて塀のある家の前に行った。

夜だった。

「なんか用?俺忙しいんだけど。」

「お前何者?なんでスパイと嘘を言った?」

立て続けに質問したら顔に銃をつきつけられた。

「あのカンフー男を雇ったのは私よ。これ以上何も聞かないで」

マヤはそういいながら、銃口を俺に向けたままだった。

背後から明らかにロシア人とは違う白人達が前と後ろから歩いてきた。

俺はマヤを羽交い絞めにし、彼女の頭に銃を向けながら「来るな!きたらこいつを撃つ」と大声で叫んだ。

そのまま近くにあったジープに乗り、

二人で逃走した。

「どういうつもり」

マヤはいぶかしげに俺をみて聞いた。

「このまま逃げろ。あんたはシンガポールで俺の命を救ってくれた。

その借りを返しただけ。自由になりたいんだろ」と俺。

運転しながら夜明けまで遠くへジープを走らせた。

日の出が見えた頃「止めて!」とマヤが叫んだので止めた。

頭上をヘリコプターがとんでいった。

マヤは車から降りた。

俺は驚いて「どこへ行く?まさか戻るのか?」

「あんたにも守りたいものがあるように私にも守りたいものがあるの」

草原に向かって走りかけて俺のほうを振り返って少しだけ笑顔で答えた。

「ゆゆか?」

俺はまぬけな質問をした。

マヤはまた笑顔をみせて走って草原の中へと逃げてしまったー。

珍しく最後にみたマヤは迷彩服を着ていた。

俺はハンドルを両手で叩いて顔を伏せた。

そのとき、携帯がなった。

「はい」出たら、クッシー達だった。

「またスパイがきた」

急いで俺はクッシー達のもとへ向かった。

しかし、時すでに遅し。

アンジェラとターニャが香港警察に捕まった。

リョウは警官を撃ったがもう一人の警官に腕を銃で撃たれて怪我をした。

俺はチャドとクッシー達と逃げるのに必死だった。

しかし前後から挟みうちにされて、警官たちに3人を人質にされて銃を仕方なく置くしかなかった。

俺はクッシーとチャドを逃がして、アンジェラ達を助けるために両手をあげて銃を地面においた。

俺は手錠をかけられた。

ターニャとアンジェラとリョウは尋問を受け、拘置所に一日いれられて、次の日にロシアの警察に引き渡された。

俺は青くなった。

どうか無事でいてくれますように。

祈るしかなかった。

そして俺も拘置所に一日入れられてそのあと刑務所に移動させられた。

拘置所にいる間に京子は「もう私がいなくても大丈夫みたいね」と言って姿が

もう透けていた。

「え?おい待てよ、もう行っちゃうのか?」

「生まれ変わったら一緒になろうね」と京子は淋しそうに言うと俺にキスして消えてしまった。

俺は涙が溢れた。

裁判はずさんで理不尽だった。

そして、新しい雑居部屋に入れられて新人いびりが始まった。

そこに琢磨と中林がいた。

あだ名でよびあってたので東京で再会するまで本名を知らなかった。

半年が過ぎて、瞳がきて俺を金で釈放してくれた。

ほかの4人もだ。

豹はマヤと会いたがっていたようだがふっきれていた。

ようやく娑婆にでられた俺は嬉しかったが淋しくもあった。

囚人たちとは不思議な連帯感が生まれたからだ。

瞳をみるなり俺は銃を向けて撃った。

瞳も反射的にナイフを出したが弾に当たって地面に落ちた。

俺は銃口の火薬の煙を息で吹いた。

「これであいこだ、赦してやる。今度俺に手を出したら腕一本落とすからな。」と睨んで言った。

瞳はごめんなさいと小さい声で謝罪して涙が地面に落ち、しゃがんで右手を左手で庇いながらうつむいていた。

豹、トシヤ、凛の3人はその様子を固唾をのんで見守っていた。

そのあとに日本にきてから約5年になる。

「瞳!」呼ばれて彼は我に返った。

トシヤだった。

「今日は豹と一緒にこいつらを尾行するから」といわれて瞳はうなずいた。

もう過去のことは忘れよう。

今は蓮と上手くいってるんだから。

瞳はそう自分に言い聞かせた。