薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~紫のナイフ7~

俺は結局スカウトマンとして今夜から働き、桐谷と競争する事にした。

なるべく巨乳の美脚を狙って声をかけたがすでに嬢やホステスとしてこれからお勤めする女性が多く、中々スカウトできなかった。

田舎っぽい服装の子を狙い、声をかけたら意外に釣れた。

店に連れていき、ソープ嬢で働きたいと言い出したので驚いた。

化粧をしてキャミソールを着せたら、なかなか美人にみえた。

「よし、俺が品定めしたるさかい」とベッドに押し倒したところでまだ俺は新人なため、伊勢谷に後ろの襟足を掴まれ顔を思い切り拳で殴られた。

「お前何様と思ってるんだ?俺が試す。外で客寄せでもしてろ」と部屋から追い出された。

これが仕事じゃなかったら一発銃でお見舞いしたい所だった。

グラサンをかけて待ちゆく女達を見ながら、水関係が似合いそうな女をみつけて声をかけた。

声をかけるときはグラサンを外して笑顔で声かけをした。

「君めっちゃ綺麗やな。」とか「夢を買わへん?」とか「お前を見て運命を感じたんや」とかいろいろ試した。

桐谷のほうが10人中8人なのに対して俺は10人中2~3人しか引っかからなかった。

そんな俺の奮闘ぶりを西野かんなはキャバクラの帰りにみて目を細めた。

「あ、今帰り?何なら送ってこうか?」と俺はかんなに声をかけた。

「送り狼にならなければね。」と笑顔をみせた。

「これから『DIRTY』に行くところなの。そこまで送ってって。」といわれてなんだか嬉しいようなホストに引っかかるんじゃないかという不安と複雑な気分だった。

彼女の後ろを歩いていった。

銀座のキャバクラから六本木のホストクラブにタクシーを呼んで行った。

もう深夜0時を過ぎていた。

俺達は無口だった。

『DIRTY』に着いてお金を払おうとしたら、「私が払う、経費だから」と言って先にかんなが降りた。

俺も降りようとしたら「彼を西麻布まで」といい、ドアを閉めた。

後ろを振り返ったらかんなは店に入っていくところだった。

トシヤが出てきて、かんなはトシヤの胸に顔をうずめていた。

俺は嫉妬した。

タクシーは俺を乗せて西麻布のマンションへ向かった。

かんなは「ふふ、あんたも血の匂いがする」と笑みを浮かべてトシヤの目を見て言った。

「え?俺怪我してないけど?」と黒ずくめのスーツ姿のトシヤは苦笑した。

二人仲良くクラブの中に入った。

次の日の昼、夜勤明けのトシヤは高美をモデルに絵筆を手にもってカンヴァスに色を塗っていた。

「ねぇ、雪乃の件、いつ解決するの?」と高美はポーズをとりながら聞いた。

「てゆうか、なんで裸婦像を描いてほしいわけ」とトシヤは顔を赤くしながら聞いた。

「ちゃんと白いビキニ着てるでしょ」と高美。

「瞳とのことだまっててあげるから。」といわれてトシヤは顔をしかめて「それ、沖縄の時もいったよね?なのになんで売名行為みたいなことするわけ?」と問い詰めた。

「私はリークしてないわよ、どっかの虹みたいな名前のバンドのボーカルみたいなこといわないで。女子アナと結婚したけど」と高美はまったく気にしていなかった。

「ああ、麻衣子さんの同僚だったね、たしか逆狙いだとか」と絵を塗りながら答えた。

「セレブ同士でいいわよね。早くあいつ(高広)卒論だしてくれないかな」と高美。

「そんなゲスな例えはやめろよ。事件は思ったより複雑だから中々進展しないんだよ。」と油絵に集中しながらトシヤは高美を咎めつつ、雪乃の件の詳細を伝えた。

トシヤを覗いた俺達とかんな含め楓達は全身迷彩柄の帽子を被り服を着ているショートヘアの井川由美子から白いボードを使ってテロリストとしての経験を語ってもらった。

「私が神崎マヤの立場ならあの場所へ行くわね」と由美子はアジトと地図を黒マジックで書いては消して、説明した。

ゆゆの本名も楓が調べた結果わかった。

ユリアン・ユウキ・アイリーン」だった。

ロシア語表記じゃなかった。

俺はかんなの横顔をみながら、トシヤとも兄弟になってしまうかもしれないなどど考えていた。

トシヤとかんなの間に何も起こらないように祈った。

かんなは京子じゃないのだがー。