薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~紫のナイフ11~

俺はこの仕事をやめてミリコをやめさせて一緒に暮らしたいと思った。

彼女のことがほっておけなかった。

けれど指示があるまでは動けない。

そんな悶々とした日々を送っていた頃、高美と会った。

彼女はまた一段と色っぽく綺麗になっていた。

こいつも「頂戴お化けか」。

俺は苦笑した。

「私達、12月から今更感だけど、熊本や東北の復興支援全国ツアーをすることにしたの。一か月年末のカウントダウンも入れてね。

イブもいれるかな。

貴方達はついてこなくていいから。物騒だし?」

と高美は目を輝かせながら言った。

「なんで?社長に頼まれてるんやで。お前んとこの社長は中道思想やから右派バンドや左バンドの歌詞とメロディーとか重視したバンド抱えてるしな。

愁二とか。社長は憲法改正派やって。せやから雇われたんや。お前もよく聖女面してこの世界で歌ってられるよな。ラジオ聴いて呆れた。いくら友達思いでも仇討ちとか信じられへんわ。裏の顔とか知られたらお前ら終わりやで。お前デスノートとか好きそう」と俺は少し軽蔑の気持で言い返した。

高美は「クロムハーツの元プロデューサーをゲストに迎えたのは若い女性とユニットとして新人デビューしたからよ。あくまでもプロモーションの為。私一年前は『徹世の部屋』のゲストにも出たことあるの。不死鳥の女がキャッチコピーみたいなもの。

あの二人と話した時、音楽をやり始めた時の初期衝動を思い出したの。

楽しかった。自分の中の毒が浄化される感触がした。

みおには嫉妬したけどね。『ツジミオ』よ。聴いてみて。」

と高美はわざわざ配信したのをダウンロードしていて俺にIpadを渡した。

俺は断った。

「こんなもん聴いたら人撃てなくなる。」とかっこつけて言ってみた。

高美は「それでいいのよ。殺し屋なんかみんなやめたほうがいいのに。」と意外なことを言い出した。

高広の影響か。

「お前こそ仇討ちやめえや。俺は絶対家族を取り戻すまでやめへんけどな。お前はまだ引き返せる。このままやと歌えんようになるで」と言った。

「そうかもね。津地さん達とあのあと飲みに行ってクロムやカノンの話で盛り上がったの。

知ってる?カノンの本名は加納密樹ってー。」俺は高美の話を遮って「雪乃さんの件、早く片付けるよ。ちょっと私情挟んでまうけど」と用件を言った。

高美は息を飲んだ。

俺の生い立ちとかは知ってたので家族は永遠に取り戻せるはずないのに何を言ってるのかといいたげでもあり、少し殺しに怯えているようにもみえた。

「お前の件、引き受けるのは今回限り。もう暴走すんなよ。凛の弱みにつけこむな。これで終わり。

お前が殺し頼んだんやろ?犯罪やで。友情ごっこはアホらし。たしかに奴らヤクザは何度ムショ入っても更正せえへんけど、お前はまだ間に合う。」

高美は下を向いた。長い金髪に隠れて顔の表情はみえなかったが拳を握りしめた手が小刻みに震えていた。

「わからない。もしまた、大切な人が危険な目に遭ったら、私何するか、時々こんな自分に嫌気がさすの。高広はそんな私を受け入れてくれた。今殺したい人は奥さんと貴方と昔関係あった神崎マヤよ。京也にそっくりな西村豹の元カノでしょ。京也に会ってほしくないの。」

俺は高美の言う言葉を無視して歩いて行った。

マヤだと?いやソフィアだ。

京子ならともかくマヤのことまで知ってたのか、俺が話したんだが。

流石にミリ子のことを惚気る気が失せた。

高美はラジオで言っていた。

「歌っているときは無心になれるのよね。

一番雑念が消える瞬間。ステージにいる間は。

天使になった気分でいられる。音楽を聴いてる間や作っている間もピュアでいられる。

ピアノやギターも独学で覚えた。ピュアでいたいから音楽をやってる。今音楽やめたら本当に駄目人間になっちゃうかもね。」とー。

仕事を離れると悪女に戻るのか。

美と毒を併せもつV系の歌姫。

ミリコと半同棲を始めてから一か月半が過ぎた。

ミリコから突然「私この仕事をやめる。パパがみつかったの。今までありがとう。」と笑顔で言われて戸惑った。

「は?お前の親父が行方不明やったんか?ならよかったやんか。けどいきなりなんで?まぁ親はそりゃ娘なら反対するわな。俺が上手く説得する」と言ったら彼女は笑いながら「そのパパじゃなくてお金たくさんくれる人。寝ただけで。大企業の社長さんでロリコン。でね。」その瞬間、俺は目の前が真っ暗になった。

途中から彼女の声が遠くに聞こえていた。

目の前のミリコが斜め上下に揺れていた。

笑い声もエコーのように耳に響いた。

俺は「ほな、よかったな。また新しい子入るから店は心配せんでええで。」と無理に笑顔を作って祝福していた。

またホスクラに通うお金ができて新しいホストを指名できると喜んでいた。

俺は彼女の部屋をでて街路樹を歩きながらスカウト会社に向かったが豹のいる事務所に戻った。

やけに紅葉が綺麗すぎて胸が痛かった。

枯れ葉が風に舞って、俺のまわりを囲んでいた。

涙もでなかった。

俺の女神がみんな壊れてく。

豹の顔をみるなり抱きしめた。

豹はわけがわからず、「ど、どないしたんや?俺そんな趣味ちゃうで」と顔を赤くして小柄な体で抵抗した。

「今夜、決着をつける、あの男と」体を離して言った。

豹は目を見開いて「おい。単独行動はあかんで。奴の居場所わかったんか。」

「ああ」俺は黒いサングラスをかけて夜の街へと歩いて行った。

ポケットに拳銃を忍ばせてー。

凛も豹の部屋を訪れた。

「バーテンしてる店で雪乃さんを脅した連中の名前がわかった。桐谷の弟のコウという男が雪乃さんと関係をもった男で、アイジという奴がトシヤのいるクラブでホストしとった。そいつが雪乃さんをメールで脅した。

潤というキャバクラの常連の客の男が大金を雪乃さんから騙しとってた。

被害者は他にもおったわ。

もう一人いた。武雄のバックが桐生会やった。そいつはSMクラブでM男やった。

瞳から聞いた。」一気に凛が情報を豹に行った。

豹のサイン会になぜか伊勢谷がいた。

桐谷に会ったから怪しまれていたらしい。

「どうりで変なfanおるなとおもっとったんや、今夜は祭りやな、楓達を出し抜こうや。自殺した被害者の遺族からファンレターもらって顔も割り出した。

仇討ちや、fanの子の」と無表情で豹は言った。

その様子をあとから入ってきた瞳もだまってみてたので二人は驚いた。

「うち、そいつにたくさん蝋燭でやられた。許さへん」そっちか。

あとから知って俺は呆れた。

伊勢谷はSの性癖もあった。

俺はスカウト会社の社長室に退職願いを出しに行った。

伊勢谷は驚いて、怒鳴ったが俺は「すみません。」とお辞儀をしながら銃を出して銃口を奴に向けた。

「お前何してるんや」と伊勢谷が聞いたのでそのまま撃った。

銃声を聞いて、手下たちがきたときは数発目で伊勢谷が倒れて息絶えた時だった。

あおむけに倒れて額に穴が開いて血の海になっていた。

一斉に俺にむけて銃をむけて撃ってきたが、俺は素早くよけながら全員撃ち殺した。

捕まったら確実に死刑囚か終身刑

しかしムショ暮らしには慣れてたので怖いもんなしだった。

失うものは何もない。

これでミリコは桐生会に追われずにすむ。

凛も瞳もかけつけてきた。

なぜか豹に教えた面子が揃っていた。

楓の仕業だった。

俺と凛と瞳は桐谷達めがけて銃を向けたが桐谷が「まだ俺達の相手をするのは100年早い。俺には英霊が味方してくれてるんでね。」と空砲を撃ったら彼らの仲間達がきた。いつのまにかトシヤもきて、銃を向けて桐谷の手下と撃ち合い、ほとんど手下が死んだ。

豹は警察がこないか辺りをうかがった。

瞳も素早い動きで桐谷の手下を次々に刺して行った。

凛もアイジの手下を撃ち殺した。

夜の六本木の街中で俺は私情を挟みながら派手に凛達と共闘した。

そして、桐谷達5人と俺達4人がお互いに向き合って銃を向けた。

引き金を引こうとしたとき、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえた。

「ちっ。落とし前はそのうちつけるからな」と桐谷達は素早く走り去って行った。

俺達も逃げざるおえなかった。

まだ手下たちは数人いた。

豹も逃げた。

パトカーを呼んだのは、楓だった。

車から五十嵐刑事とかんなが降りてきて、桐生会の連中に手錠をかけた。

みり子のパパこと緒方があやかのキャバクラにきていて、「アゲハちゃん、なんか騒がしいね、今夜。なんかあったのかな。」とテーブルで太ももを触って聞いた。

あやかは「さぁ、ここも物騒ですからね。はい、煙草」とライターを差し出した。

みり子はアイジ目当ての常連客として「DIRTY」にきた。

「あれ?カイジくんは?」と塚本に聞いた。

「んー。なんか昨日でやめたよ。最近のゆとりはだめだね。根性なくて。新しい子紹介するからさ」と笑顔でグラスにシャンパンを注いだ。

「そんなぁ、せっかく本命と別れてまで遊びにきたのにぃ」と泣きそうになりながら一気にシャンパンを呑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

仕事を休むと