薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~紫のナイフ14~

早速事務所に戻ってTVを付けたら死体が清掃員によって発見されて警察がきてニュースになっていた。

被害者は緒方博昭(おがたひろあき)66歳。男性。

妻が任意同行で事情聴取されてるとのこと。

アイスピックとくだものナイフと小型のナイフが凶器と断定された。

それらは鑑識にまわされた。

ミリコのパパだと豹がもう教えてしまったから逆上してこんなことになったのか。

瞳と井川由美子がなぜか青くなっていた。

「なんで瞳のナイフが刺さってんの?」とトシヤ。

瞳は激しく首を振った。

俺は瞳の太ももをスカートをめくってナイフの数を調べた。

一本足りない。

「どこかで落としたのか。お前のことは信じる。」

瞳はただ首を左右に振るだけでなにも言わなかった。

「あの事件の時から足りなくて探してたらしいよ」と通訳するトシヤ。

「お前口利けヘんのか?」と俺は詰め寄った。

「私はあのアイスピックは持ってない。ここにある。」と井川由美子まで急に俺にアイスピックを向けて無実を必死に鬼気迫る表情で訴えた。

俺は焦って「ま、待て、誰も御前だなんて疑ってない。なんでいつもそんなもんもってる?」と逆に足でお腹を蹴って由美子は壁に背中をぶつけてしまった。

「元ヤンだったし、昔ぐれてたから『アイスピックのユミ』と恐れられたものよ。」と昔の武勇伝を語り始めた。

楓は笛を吹いた。

「そのアイスピック、没収」というと、警官達がきて、取り押さえられてアイスピックを取り上げられて外に連れ出されそうになった。

「待って!そのインスタみせてよ!」と警官達を力ずくで放し、俺のスマホ画像に見入った。

「これって、クロムのカノンでしょ」と興奮気味に聞いた。

「お前、fanなのか、それどころじゃないだろ、」といいつつ自慢げにみせた。

「ここどこのホテル?会員制で入れるとか、貴方すごいわね。ちゃっかりポーズとっちゃって。私はヴォーカルの瞬ラブよ。会員番号8番。まだ再結成するまえに女子刑務所に慰問で歌いにきてくれたの。洗脳騒動をTVでみたから間違いないと思った。すごく感動したわ。歌がうまくて生い立ちまで語ってくれて涙なしに聴けなかった。」

トシヤは仰天して「おい、そのころはまだあっちの世界にいた頃だぞ」と由美子をたしなめたが、話が止まらない。「再結成が決まって記者会見開いた時は感動したわ。面会の時に本を弁護士に買ってきてもらって読んだ。去年は我慢できなくて脱走して全国ツアーを全通したほどよ」と興奮気味に語った。

「なんでまた戻ったんや。てかお前何やらかして終身刑なんや。凛はまだこねえし、肝心な時に遅刻かよ」と俺は由美子に聞いた。

由美子は瞬マイメロのぬいぐるみまで見せて「これはお守り。私の両親もテロで捕まって死刑囚。私はそれで白い目でみられて不良の仲間に入って強盗や喧嘩、私を強姦しようとした奴をアイスピックで二人刺し殺してしまった。そう、あの阪神大震災が起きた後に東京に一家で引っ越して両親が実行犯で地下鉄異臭事件を起こした。それで、、、」と急に号泣しだし、俺の胸に抱きついてきた。

俺は焦って「わかったからもう泣くな。お前は更生できてるしだから一応借釈放なんだよな」と頭を撫でた。

「身の上話はこのファイルに全部載ってるからあとでじっくり見なさい」と楓は俺達を引き離して、俺のインスタをみた。

「何、顔世界中に晒してるのよ。貴方自分の立場、自覚してるの?」とかんなに呆れられて怒られた。

「うわ、香港のフォロワー多い。しかもみんな嬢!」とトシヤが感心した。

TVでは上原財閥の副社長ということになっていた。

「げ、上原って、智宏の妻の家じゃないか。すげえお嬢様。なんで家出したんや」と俺は不思議に思ってつぶやいた。

豹は「緒方の息子と政略結婚させられそうになったからや。副社長の息子が上原財閥の社長候補になってるで。」と俺にファイルを渡した。

TVでは泰造という名前の息子が涙を白いハンカチで拭って記者会見を社長と一緒にしていた。

お通夜の会場から生中継。

俺はこの息子が自分の父親に似ていると思い、胸が痛くなった。

上原ナナはTVを観て「叔父さん、気の毒ね。」とつぶやいた。

女性雑誌の撮影場所で。

智宏は毎週放映されるドラマ「居酒屋レン」の主役として出演していた。

毎回女性客に恋をして振られる高視聴率ドラマで爆発的ヒットしていた。

俺はそのドラマで名前を呼ばれるたびに飲んでるものを吹いた。

共演女優はママ役の桃井薫子。

弟のように慕う役どころ。

そういえば、博昭といえば、日本人として高校の時香港の日本企業に赴任した両親の為に転校生として俺と一番親しくなってバンドをやり始めたドラマーだったことまで思いだした。

あいつはたしか、ドレインアウェイと同じ事務所でデビューしたはずだが、ドーリスのドラマーになったんだっけ。

元気かな、凛に此の事を教えたらびっくりするやろな。

それにしても凛は遅い。

風邪でも引いて寝込んでるのか。

アリサがいるから心配ないな。

俺はドーリスに元メンの嫁がいると知ってたので同じ名前のレストランに行ってみる事にした。

豹に「おい、お前に頼まれたとうり調べた。これ資料。コピーしといたから今渡す。楓にUSB持ってかれたから。これからどうする?」と聞かれ、「あ、その事はまた明日。今夜メールして」と言ってドーリスへ行った。

ミリ子は「パパ、、、!」と顔面蒼白になり、トレイを床に落として店を早退した。

女店長は実の娘と勘違いして同情してミリコをアパートへ帰した。

女店長に元ドーリスのドラマーはいないかと連絡を聞いた。

高校時代の同級生だと教えたら、呼んでくれた。

俺は胸が熱くなり、運命の再会の抱擁をした。

博昭は子供の頃にタップダンスを習っていた。

日本刀を集めるのが夢だった。

俺のバンドでは唯一のクロムfanだった。