薔薇色の人生 Ⅲ

はてなダイアリーで書ききれないことを書きます。スピリチュアルなど。よろしく。

灰色の街~紫のナイフ24~

俺は急いで、五十嵐達のアジトのドアを勢いよく強い音を立てて開けた。

「高美はどうした?無事か!?」

動機と息切れがした。

瞳はだまってスマートフォンを俺にみせた。

そこには椅子に座っている高美がロープで縛られて、口にガムテープを貼られて

もがいている様子だった。

黒人のボブヘアーが女装していて黒マスクとグラサンをしていた。

「私達は近頃、半グレとヤクザに舐められていて相当ムカついてんのよね。」とスタンガンで高美の脇腹をつついた。

「やめろ!」俺はおねえ言葉を使ってる男に違和感をおぼえつつも、高美の身をひたすら案じた。

「もし、歌姫を返してほしければ、クィーンバタフライを新宿2丁目のキャバクラのステージで一か月ライブを一日おきに演奏させること」と言って動画は切れた。

「え!?こいつら、何言ってんの?」俺はさっぱり意味がわからなかった。

瞳はその筋なので詰め寄った。

「金で雇われたんや、彼女達。要求を飲むわけにいかない。」

凛も「せやな。あほらしい。新宿「レイニー」のライブハウスで演奏したらええ。」

どういうことだ?

五十嵐や楓までやる気なさそうだ。

「たしかに。凛、お前あのライブハウスの店長に頼み込めよ。こんなジュリアナマフィアとかに俺らのほうが舐められとるわ」

俺は杏子の家に戻ろうとした。

トシヤは「あ、俺今度そこで急遽メタルイベントで某バンドのサポメンとして演奏聴きながら絵を描くパフォーマンスすることになったから今度観に来てよ」と嬉しそうに言った。

「よかったね。」と瞳は自分のことのように喜んだ。

ついに俺達の会話を一部始終をだまって聞いていたカンナが怒ってテーブルを両手で叩いた。

「あんた達、いい加減にしなさいよ!誘拐犯でしょ?外人の!だから移民は取り締まれとあれほど上司に直訴したのに!犯人の要求は飲みます。瞳さん。貴方の御店で彼等、いや彼女達の演奏や踊りをさせてあげなさい。ついでに貴方達もそこでバイトして。ウェーターのふりでおとり捜査しなさい。」と凛々しく怒鳴りながらいった。

一気にそこまでまくしたてたカンナは深くため息をついて額を手で押さえた。

五十嵐刑事も「そうだ。俺達はお前ら半グレと違って遊びで星を捕まえてるんじゃない。テロとは無関係だがうちの管轄は人手不足でな。楓もおこげとしてお前らの店の常連客としてスパイをするからな。西村くんは彼等好みの音楽をかけてDJのふりをしてほしい」と目で豹に熱い視線をおくりつつ、命令した。

豹は「しゃーない。掘られそうになったら蓮にたすけてもらう、頼むで」と苦笑しながら俺の背中を左手で叩いた。

「え、俺!?ガチでマッチョやないし、御酒は楽しく飲みたいし誘われたら真面目に怖いし、どうしよう?」と凛に助けを求めたが「俺は女装はしない主義やからウェーターでええな。お前にはカクテルの作り方教えたるから瞳から女装服かりろ。トシヤも女装趣味やから楽勝やな」と少し笑みを浮かべて俺にいった。

なんで俺が女装しなければいけないんだ?

「だって貴方はいかにも怖そうなんだもの。眉毛うすいし。」と楓は無表情で答えたが、若干笑いをこらえてるようにみえた。

俺が。。。女装だと?

次の日から俺はリクからウェーブの金髪のウィッグを借りて、全身脱毛して、黒いタイツをはいてTシャツに黒い皮のミニスカで厚化粧をして2丁目の瞳のバーでお酒を造ってカウンターにだした。

「なんで俺がこんな目に。」と凛に文句を言った。

「結構似合うよね。」と女装のトシヤは瞳に同意を求めた。

笑顔で。

「うん、美魔女って感じ。足にそそられる」と瞳は唾を飲み込んだ。

「お前にいわれたないわ。その気はない!」と瞳を睨んで否定した。

瞳は下を向いて声をださずに笑っていた。

俺は乱暴に瞳の前にストロベリーカクテルをおいた。

瞳は愛想よくカクテルを男性カップルのいるテーブルにもっていった。

トシヤはすっかりお客のいるソファに座ってカップルたちと談笑していた。

(もういやや、こんな店)俺は固く目をつむった。

奴ら犯人グループが雇ったらしい、アフリカ系アメリカ人のライブが始まった。

かなり2丁目では異色なライブだった。

ボーカルを除くとニューハーフが弦楽器やドラムを担当していた。

俺より上手かったので心が折れそうになった。

「あらー、素敵な足。悩殺されちゃう」とまた今度はレズの客に絡まれた。

俺は作り笑顔で横をむいてほほ笑んだ。

が、カウンターにいたのは神崎マヤだった。

おれは「えええー!?」と思わず声をあげてしまった。

楓に足を思い切り蹴られて我に返って「いらっしゃいませ。お飲み物はどうなさいます?」と顔をかしげて営業をした。

マヤはなんで堂々と俺達の前に姿を現したのか?

凛はポーカーフェイスをしていたが明らかに視線が俺の足に釘付けになっていた。

アリサはどうした!?

マヤは思わせぶりに黒いジャケットをぬいで椅子にかけて俺と同じミニスカートをはいていて、足を組みなおした。

胸元がわざとみえるような黒いタンクトップをきていた。

相変わらずのショートヘア。

甘い香水の匂い。

すでに俺の下半身が反応してしまった。

俺は未成年か。

マヤはテキーラのロックを頼んだ。

慌てて、用意した。

俺の心が激しくざわついた。